好きの反対は、 1-3
そのアキの愛情表現は、其れからも続いた。
2人きりの時には、腕に抱きついて来る迄になった。俺はアキの耳を同じ様に撫でる様になっていた。この頃にはもう可愛い奴だと思っていた。耳を撫でるのは俺が最も頻度が多い様に見えるが、友好範囲内のサバナクロー寮生とはしあっているらしい。
ある日「あまり抱き付くな」と思わず言った時、アイツは微睡みつつ「私には尻尾が無いから」と言った。この時の俺は、コイツが愛おしいと思った。アキの腕は尻尾の代わりでもあるのだと言われた事と同義だ。許可を出さないでいられなかった。

いつの間にかアイツは俺をレオナでは無くレオと呼ぶ様になっていた。植物園での微睡みに、アイツが混ざる日も増えた。アイツはサボったりはしないが。
俺の面倒を勝手に見るようになったラギーを可愛がっているのは俺へのものとは違うと、見ていて分かったから許してやるさ。

***

尻尾をアキの腕に巻き付けた。ゆっくり近付いて来た鼻先が合わさり柔らかく薄い舌が、鼻先を舐めた。そのまま胸に顔を擦り寄せて来る。そんなに愛してくれるのか?だったら俺も同じだけ返してやりたいと思った。
頬を撫で、おとがいに指をかける。軽く持ち上げてやれば自ら向くかんばせは頬を赤く染めて潤んだ目をしていた。鼻先をすり合わせて、舌で鼻先も唇も舐めた。アキの目がうっとりと細められるのを見て、喉が鳴る。ああ、俺の可愛い女だ。唇を合わせれば驚いた様に目を見開くが、直ぐに理解したらしく大人しく瞼が落ちて、唇が薄く開いた。歯列の裏も上顎も全てを丹念に舐め、唇を離した。
「っ、レオ…好き…愛してるの…伝わっていた?」
不安さは感じない。ああ、当然だ。俺だって同じように接して来たのだから。
「ああ、当然だろ。伝わってねえなら、こんな風に触れ合う事も無かったさ…愛してる」
けれど、愛してると伝えてやれば、もっと嬉しそうに花が咲くような笑顔になるから…偶には愛を囁いてやろう、そう思ってアキを胸に、優しく抱きしめた。

***

レオを見送ってポットとカップを片付けて、ベッドに仰向けで寝転がった。
「レオ…カッコいい…ああ、なんて幸せなの…ずっと側に居たいなあ…ここの物は積極的に食べてるし、こちらの知識も技術だって覚えてる。だから黄泉竈食ひよもつへぐいになってると良いんだけど…」
マジカルペンの鶯色にパールが混ざった様な色合いの魔法石を眺めながら、呟いた。そしてハッと上半身を起こした。
「!!…あ、これ以上の事は、わ、私が誘わなきゃいけないのよね…流石にかなり恥ずかしい…んだけど…ううん、でも、頑張らなきゃね。彼以上の誰か何て居ないもの!」
ぽすんとベッドへ再び寝転がって、どうやってアプローチするかを、考える。

今までみたいにスリスリってぎゅうってしてから…手の甲でーー手のひらは、ちょっと恥ずかしいからーーレオの腰、尻尾の付け根あたりをトンってして撫でる…そうしよう。覚悟はしておくわ…ライオンは色々と強いものね。

***

勇気を出して、シミュレーション通りに彼を誘った。けれど予想以上に凄かった。サマーホリデーの実に7割がセックスで終わった。殆ど毎日、数時間おきの営みだった。体力のある方だとは言え、思ったより平気だった自分にビックリしてる。まあ、サバナクローのマジフト練習にしょっちゅう混ざってるしなあ。
そんなだけど、文句は言わせない為に、課題はしっかりやったし、レオにも課題はさせた。

そして、新学期…きっと監督生になるだろう誰かが現れる。
女の子だとしても男の子だとしても、あんまり変なヤツじゃ無ければ良い。ある程度の常識があれば文句は言うまい。

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2020/08/08
3/5
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