共学NRC!
私は死んだ覚えはない。けれど今は別の世界で別の人間として生きている。幸いなのは、まともな両親に恵まれてまともな生活を送れている現実だろう。とても寒い土地だったけれど、友達だって出来て健康で、しかも魔法が使える!魔法が有る世界だって言うのは両親や絵本を見ていたら分かった。前の世界と全く違うのだとコレで良く分かった。
両親共に魔法士と言うものらしく、素晴らしい魔法力は私にも受け継がれていた上に、両親の美貌も受け継ぐ事が出来た私は不細工じゃあ無い。将来有望だろうと分かるからこそ、スキンケアには気を使う気でいた。全てのスキンケアは若いうちから確りするべきなのだ。
雪深いこの土地では雪の照り返しで日焼けする。私は日焼けからのシミは遠慮したいので、日焼け止めは確りバッチリして、その負担の分は化粧水と乳液とオイルでカバーする。両親は其れを咎める事も無く、喜んで用意してくれた。まあこの国だけなのかは知らないけれど、男性も女性も関係なく化粧しているのだから当然かも知れない。
周りを見れば、十代後半にもなれば、式典や公的な行事の際は化粧をするのが当たり前らしいと気付いたのも、この日焼け止めケアを始めたエレメンタリースクールに入った頃だった。高校生まで化粧禁止されて、社会に出た途端にバッチリ化粧を求められた前の世界よりも健全な様に私は思った。あれはとても戸惑って苦労したから。
父は色白で普通の人だけれど、母は少し地黒の獣人って人種らしく、ケモ耳と尻尾が生えている。私も母とお揃いだ。だけど、私は母より色白寄りだ。まあ、母曰く日差しが強い所に居る獣人はシミが出来にくいんだとか。そして母は夕焼けの草原と言う日差しの強い国の出身らしい。話を聞いているとサバンナ気候帯らしいから納得した。友達のジャックと違って私の特徴は其方に住んでいる筈の動物…ライオンだったから。
ジャックは私とは違う種類の獣人で、白い毛並みの狼だ。色黒で、後ろ髪と尻尾の先に黒い毛があって、他は白い。かなりイケメンくんだし、芯が強いんだろうなって感じる男の子だ。私は結構仲良しだと思ってる。ジャック経由で知り合ったヴィルくんも凄くイケメンって言うか麗しいって言うべき男の子だと思う。ヴィルくんも結構仲良しさんのつもりでいる。
勉強はエレメンタリースクールでもミドルスクールでも上位に入る成績になれた。この見目の良さを活かしたいと思っているからには、頭脳だって大事。勉強が楽しくて助かった。何しろ前の世界とは違ったファンタジーな魔法の基礎を魔力の有る無しに関わらず、座学では学ぶのだ。そしてそれらは此の世界の学問の全てに関わると言う素敵な事実。
魔法史何て、壮大なハッピーエンドの物語ばかりだったから楽しかったし、陰謀を想像したり、この裏では何が行われていたのかを考えるのも楽しかった。設定の細かいストーリーなんて最高に決まっている。勝手に歴史のifや陰謀等を盛り込んだ創作小説をノートに書いて楽しく遊んだ。特に楽しかったのは、ヴィランやヴィラネスとして描かれる者たちの背景を、そう“眠れる森…”のスピンオフ作として後に送り出されたマレ様の様に描く事だった。私はいつもヴィラン達が大好きだったから。
私は其れをいつも一番の友達である二人に見せていた。あんまりに悪辣な話は此の世界では好まれないらしいのは、此の世界で生きていれば何となく分かっていたから、そう言うのは無しでマイルドに、ちょっと悪辣っぽいかな程度に留めて描いた。
20/20
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