ツノ太郎
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監督生と呼ばれると別の魔法学校の話を思い出すし、|魔法薬≪ポーション≫を作る授業や魔法史の授業、果ては箒で空を飛ぶ授業なんてカリキュラムに、一人こっそりと胸を高鳴らせた。
魔法の世界だからなのか、この学校だからなのか分からないけど、話し言葉は翻訳されている。其れなのに教科書も絵本も英語やフランス語等が整然と並んでいる。だから、自分の知識を総動員して先生の話す言葉と教科書を行ったり来たりする。ノートは日本語とアルファベットが入り混じって、他の人には理解出来なさそうな感じになった。実際、ノートを見せてと言ってきたデュースには首を傾げられた。
レポートはアルファベットオンリーで書くけれど、スペルミスの指摘と文法ミスの指摘が多いのは仕方ない。先生方には事情を説明してあるから、そう言うミスは積極的に指摘しているのだろう。発音は機嫌が良い時のグリムに聞いてもらっているけれど、遅々として進まない。
ああ、シンダール語なら未だ分かるのに。生まれ育った世界で最も有名であろうエルフ達の言葉の方が私は英語より聞き取りも、話すのも書くのも容易だと言うオタクだった。
ある日、英語と日本語でこんがらがった頭をスッキリさせたくて、夜の散歩に出た。ルシアンとベレンの恋の歌を何の気無しに歌いながら歩いた。素敵な歌だから心を込めてシンダリンで歌い上げた。
パチパチと聞こえた拍手の音の方を見れば、ツノ太郎が立っていた。
『良い歌だ、人の子よ。』
ああ、シンダリンの響きだ。
『貴方でしたか。この言語が通じるとは思いませんでした。』
3/10
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