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「まずワノ国に行くのが錦えもんとローとゾロ、ビッグマムの所に行くのがルフィとぺコムズ、マルコを探索するのがネコマムシでイヌアラシとモモの助はゾウに残るのよね。後のメンバーはどうする?」

麦わらの一味にとっての選択肢はホールケーキアイランドかワノ国となる。四皇オア四皇なので正直どちらも行きたくないが、サンジの行方が気になるだけにホールケーキアイランドにしようか。

「名前! お前もこっち来いよ! 潜入してポーネグリフの写しを取るならお前が適任だ!」
「うん、そうしようかな」
「ダメだ」

話がまとまりかけた頃、突如トラ男君が話に割って現れた。この状況には既視感がある。

「名前はワノ国側にしろ。ポーネグリフの写しを取るのは同じだ」
「そっかー、じゃあそれでいいや」

トラ男君が何を思って私をワノ国チームに入れるのかは分からないが、ルフィは簡単に言いくるめられてしまったようだ。というかホールケーキアイランドが主だって潜入なのに対し、ワノ国はカイドウと戦うのがメインではないだろうか。正直そちらの方が怖いのだが、「何故」と聞ける勇気はない。何も言えないでいると、ワンダが私に一歩近付いて言った。

「随分仲が良いんだな。恋仲か?」
「え!? 違うよ! けど……心許せる人かな」

去って行くトラ男君の後ろ姿を見ながら宴の夜を思い出す。「コラさん」の話をしてくれた時、トラ男君は私に心を開いてくれたのだと思った。それが嬉しかった。同時に、自分はとっくにトラ男君に心を許していることを知った。

「つまり裸を見せられる人ということか?」

当然のことのように聞いてくるワンダに変な声が出た。突然何を言い出すのだろう。混乱する頭の奥で、服の交換をした時に「心許せる人にしか裸は見せたくない」と言ったことを思い出した。

「違う! 違う! それは違う!」

いつの間にか私とワンダの周りは小さな騒ぎのようになっており、トラ男君までこちらを振り返っている。まさか聞こえてしまったのだろうか。クールなトラ男君だけに反応はしないだろうが、それがまた私の心にぐさりと刺さる。私はこれから、裸を見せてもいいと聞かれてしまったかもしれない元七武海で最悪の世代で私の実の前の保有者に愛されていた人と、ワノ国へ向かいます。