02.
私の名前は名字名前。趣味は人間観察。以後お見知り置きを。
今や、学園は二極化している。忍たま中心の天女サマ保護派とくのたま中心の天女サマ否定派。学園の至るところで、忍たまとくのたまが対立しているのが見られる。
さて、それぞれの言い分でも聞いてみようか。
忍たまとしては、天女サマは何かの間違いでこの『世界』に来てしまい他に行く当がないのだから学園で保護しよう、とまあ、そんなところ。身知らずの相手に何とも好意的である。
対してくのたまは、突然やって来た天女サマに忍たまを奪われてつまらない、との事。彼女達にとって忍たまはからかう対象だったし、その中には恋人だった人も含まれているらしい。いわゆる嫉妬である。
今日も屋根の上から学園を見渡す。
「名字先輩」
下から自分の名前を呼ぶ声が聞こえ視線をやると、そこにいたのはやはり伊賀崎だった。
「隣いいですか?」
「断っても隣に来るんでしょ?」
「まあ、そうですね」
そう笑って、伊賀崎は屋根へ上がってきた。
「最近の学園はどんな感じですか?」
「くのたまが天女サマいじめを始めたよ」
「…止めないんですね」
「だって、面倒臭い」
「そうですか」
「伊賀崎だってそうじゃない」
「ええ、まあ」
そう言って、置いてあった煎餅に手を伸ばしたから、その手を叩き落とした。
「痛いです」
「これは私が用意したの。勝手に食べるな」
「でも、結局はくれるんでしょう?」
「……、ほら」
「ありがとうございます」
伊賀崎の、したり顔に溜め息しか出てこない。何だかんだで私は彼に甘い。そこを付け狙ってくるものだから厄介だ。
120422
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