03.
いじめが始まってから数日経った。私物を隠されたり罠にはめられたり、時には暴力を受けることもあった。
忍たまの子たちはいじめをするくのたまに怒っていたけれど、何とかそれを宥める。身体的にも精神的にも辛かったけれど、皆に心配をかけたくないからひたすら堪える、堪える。そんな毎日だった。
ある日、目の前に桃色装束が現れた。またいじめかと身構えていると、くのたまはつまらなそうにこちらを見てきた。
「辛くないの?」
唐突に彼女が尋ねてきた。思わず首を傾げる。その様子を見て、もう一度彼女は尋ねる。
「くのたまからいじめを受けていて、辛くないの?」
「辛い、と言ったら辛いですけど、」
「逃げようとは思わないの?」
「忍たまの子たちがいるから、もう少し頑張れると思うんです」
「…ふうん」
私の答えに、彼女はやはりつまらないといった顔をした。興味がなくなったかのように去っていった。彼女の背中を眺めながら、先程のやり取りを思い出す。皆、守ってくれるって言ってたもの。大丈夫だよね、きっと。
120422
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