03.


私が犯した失態は学園中に広まっていました。
エリ子さんは皆に愛されていましたので、同級生のくのたまたちには無視されたり、物を隠されたりされます。私は友人というものを完全に失ってしまったようです。

今、私はおそらく彼女らに隠されたであろう教科書を探しています。もしかして、と思い池の方に足を運んでみれば、案の定ぷかぷかと浮かんでいる白い本。

立ち尽くす私の背後から、からからと笑い声が聞こえました。
ちらりと目を遣ると、指をさして笑っている忍たまやくのたまたち。その中に、笑いこそしていないけれどあの人の姿を見つけてしまい、私は少し泣きそうになり、その場から逃げだしました。

自室に戻って、部屋の真ん中でうずくまっていると、誰かが近づいてきた気がしました。
入るぞ、と障子を開けられ、その人は勝手に部屋に入ってきました。

「ほら、教科書」

そう言って渡されたのは、先程まで池に浮かんでいたもの。

「水に濡れてもう読めませんよ」
「お前のだろう?読めなくても自分で持っておけ」

よくわからない理由を述べ、私にそれを押し付け、そうして彼は笑います。

彼の名前は鉢屋三郎といいました。


110208


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