98-2

「みんな……あ!」

わたしの希望通りに事が進んで、アルテスタさんの家までやってきて。そうして、ミトスがいの一番にわたしたちに駆け寄ってきてくれたところで、どさりと音を立ててリフィルさんが倒れた。
慌てて抱き起すけれど、その体は熱い。やっぱり熱が出てるじゃないか、と思わず叱るけれど、彼女はぐったりとした様子で何でもないわ、と首を振った。

「姉さん!」
「リフィルさん!」
「うわ……すごい熱だ!」
「もう! やっぱり具合悪いじゃないですか! どこが本調子ではないだけ、だよ、もう!」
「最近、悪性のウィルスが流行っているみたいだからそれかも……」
「ごめんなさい……たいしたことなくてよ……」
「そうはいかないよ」

少し休めば平気だとリフィルさんは言うけれど、ミトスの言う通り、この辺りで流行っているウイルスだとしたら、ちょっと休むくらいで良くなったりしないだろう。
ちゃんと休んで、栄養のあるものを食べて、それからできればお薬も飲んでほしい。アルテスタさんに言われてリフィルさんをベッドに運んで戻ってくると、みんなは医者を呼びに行かないと、と話をしているところだった。

「あたしが知っている医者はフラノールにいるけど」
「メルトキオなら俺さまも心当たりがあるぜ」
「じゃあ手分けして呼んでこようよ」
「そんなに何人もいるかな……」
「まあまあ、医者は忙しいものだし、そんなに遠いなら行けないってこともあるし。多数当たっておいて損はないでしょーよ。ということで、俺さまとプレセアちゃんとコレットちゃんはメルトキオな」

ささっと女性陣を指名したゼロスくんに続いて外へと駆け出していく。
女ばっかり選んで、としいなは怖い顔をしたけれど、そんな場合じゃないとすぐに気を持ち直して、リーガルさんと共に彼女達も外に出て行った。
……さすがに、これ以上お医者さんを探しにいく必要はないだろう。というか、わたしたちにお医者さんの心当たりなんてないし。
タバサちゃんとアルテスタさんと、それから残ったロイドとわたしとジーニアスはこのまま看病組かな。

「ねえ、ジーニアス、ちょっと……」

お水とかタオルとか借りないと、と思っていると、ミトスがジーニアスを手招きして外に出ていくことに気付く。
わたしとロイドは顔を合わせて、ちょっと申し訳ないなと思いつつ、彼らの内緒話に耳をすませた。