結論から言うと、ガルポス自慢の果物は食べられず、わたしたちはジャングルを歩いている。
なんでも果樹園を荒らされて、満足に果物を収穫出来なかったために、ここで食べられる果物がなかったのだ。その原因が、ここから北のジャングルから来る犬とガキ、というなんだか既視感のある組み合わせが原因だとか言うのでちょっと様子を見に行けば、まあ、ちょっと予想した通りそれはシアンと犬二匹で。
ジャングルの開発を止めるため、王都の手が回らないようにと果樹園で暴れているらしい彼らを追いかけてジャングルに入ったのが今である。
現状説明終わり。
「ジャングルを本当に体験する日がくるとは……」
「そうね……火山の時ほどじゃないけど、やっぱり暑いし、歩きにくいわね」
「アンジュ姉ちゃんもミオ姉ちゃんも、インドアっぽいもんなぁ」
けらけらと笑うエルは、ジャングルの木に実る果物に手を伸ばしてかじりつく。
美味しそうではあるが、食用に品種改良してないので少し苦かったらしい。顔をしかめる彼女に笑って、わたしは傍らを歩くキュキュに向き直った。
「キュキュは……うん、馴れてるっぽいね。考古学者? だっけ? こういうとこも歩き回ってたりしたの?」
「ある。でもキュキュ、ここに技術見に来た」
「最近はあまり来てなかったってことかな?」
自分を考古学者だと名乗ったキュキュだけれど、こちらの世界に技術を学びに来たらしい。考古学と技術って、なんだか一見全然違う方向を向いている気がするけれど……考古学を学ぶにあたってこの世界の技術を学んでおく必要がある、とかなのかな。
コンウェイさんに聞いてみたいけれど、出身国が違う、みたいな会話してたし、いつものごとくのらりくらりと交わされて終わるだろう。粘ってもいいけど、彼自身のことを聞けるわけじゃないし、今回は見送りでいいか。
というか、わたしはコンウェイさんにすごく頼ってるし、好きだなあって思うけど、コンウェイさんの世界のことも目的も何も知らないんだよなぁって、改めて思う。なんというか……それがちょっとだけ、悔しいな、という気持ちもある。
「せめて覚えようかなぁ」
「ミオ、なにを覚えるか?」
「トライバース語」
「あーっもう! 蔦が邪魔! これなら荒野のが見晴らし良くて歩きやすかった! ちょっとルカ、先頭なんだからちゃんと切りなさいよ!」
「ご、ごめ……って、一番先頭はスパーダだよ……」