「転生者を排除する!」
「ミオさん、君は治療と補助に専念して下がってて」
「アンジュくらい下がってなさい!」
「は、はい! わかった!」
ぐいと腕を引かれてハッとする。
腕を引いたのはコンウェイさんだ。素早く「しっかりして」と呟かれて何度も頷く。
ていうか、ああくそ、やっぱり戦うのか!
「守っちゃうよ、バリアー!」
「アスティオン!」
途中で覚えた、いわゆる防御力を上げる術を一人一人にかけていく。
他にも覚えたけど、相変わらず出来ることなんてこれくらいだ。それでも何もしないよりはマシ、のはず。
「切り刻め! ダンシングエッジ!」
「マーシレスハンド!」
「虎牙破斬! 散沙雨!」
いくつもの刃と銃弾がガードル目掛けて撃ち出され、その隙をかいくぐって斬撃を浴びせる。
あくまで人数が多いのはこちらなのだ。だから大丈夫だと、みんなは負けないと自分に言い聞かせて、治癒術を発動する準備をしながら深呼吸する。
「ツインバレット!」
「邪魔だ!」
だが、やはり相手も強い。
なぎ払うように強く武器を振るってルカたちを押しのけ、弾すらはじく。
素早く距離を開けたかと思うと、そのまま魔法陣を浮かび上がらせて術を発動させる。早い。浮かび上がった闇が、こちらに向かって飛んでくるのが見えた。
「滅びよ! シャドウエッジ!」
「わ……っ」
「覚えたよ。シャドウエッジ!」
「ぐううっ!?」
わたしと術の間にコンウェイさんが割り込んでくる。
庇うように術に直撃した彼は、だがすぐに笑みを浮かべて相手と全く同じ術を返してみせた。
直接ぶつかりに行って覚えるなんて荒技だけど、何てことないようにやってみせる……コンウェイさん、転生者じゃないのに、すごいなあ。
「ありがとうございます! 小さな妖精に願いを……ピクシーサークル!」
コンウェイさんと、狭いけどその周りに治癒術の陣を作る。
ギリギリだけどリカルドさんも範囲に入るから、これなら同時に二人を回復できる。
回復手段はまだまだあるけど、でも、相手もなかなか倒れない。余裕だと笑みさえ浮かべて詰め寄ってくる姿に、さすがにスパーダも冷や汗を流していた。
「つえぇ……なんてやつだ!」
「ヤクトラーゼン!」
「なんだ……この感じ……?」
リカルドさんが小さく呟いて、次の瞬間には舌打ちして。
ガードルが避けれない場所にきっちりと銃口を向けて、力をこめるように声を張り上げた。
「奈落へ落ちろ、ファントムコール!」
強く高く跳んで、銃口に力が集まっていくのを感じる。
それはやがて大きな塊になって、強く速く、放たれる。
それは間違い無く、ガードルの体を貫いた。
「良い夢を!」