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ある程度の情報収集と観光とを終えて集合場所に向かってみたけれど、まだ全員集まっていなかった。
しばらく待って、最後にイリアとルカが来たのはわたしたちが来てからだいたい三十分は経過した頃で。わたしたちより早く来ていたエルは不服そうに頬を膨らませた。

「もぉ〜、二人とも遅いで〜」
「まったくだぜ。どこで油売ってたんだよ」
「油売ってたのはあたしじゃないっての。ルカったらね! ……モガモガ!」
「そ……それで、何か見つかった?」

何かを言おうとしたイリアの口を塞いで、ルカが慌ててそう聞いてくる。
ん、何かあったのかな。そう思って気になったけど、とりあえず先に話を進めようとアンジュさんが話し出した。

「この辺りの権利者は、亡くなると神として祀られる風習があるらしくてね」
「つまり、力を持つ者は死後、神になる」
「人が死んで天に昇り、神として迎えられる。天上界信仰が行われていた証拠ね。代々の王の墓、つまり他の地域の神殿と同義だけど、それも見つかったのよ」
「王さまのお墓? そこなら記憶の場がありそうだね。さっそく行ってみよう」

ルカがそう言うのを聞いて、わたしたちは頷き合ってから町の外へと向かう。
その墓は町から少し離れた場所にあるのだ。そこまでの移動も、もちろん時間がかかる。ということで。わたしとスパーダは自然な様子で隊列の後ろに下がってから、未だに不機嫌そうなイリアに話しかけた。

「……それで? ルカはどこで油売ってたって?」
「あの女と一緒にいたのよ。イチャイチャデレデレしちゃってさ!」
「あの女って、チトセ? ……あー、なんかここ出身ぽい恰好だったかも」

格好も着物っぽかったし。
うんうんとわたしはそこで納得してしまったけれど、スパーダは別のことが気になったようだ。

「はあ? イチャイチャ? ルカに限ってんなわけねーって。どうせ偶然会っちまったとかそんなんだろ」
「ていうか、別行動してたんだ」
「だって、あいつウジウジしてんだもん」
「そうやって一人にしたから、偶然会っても避ける必要が無くなっただけだろ」

そうスパーダは肩を怒らせる。
なんだかやけに庇う姿勢が不思議で、わたしはそのまま問いかけた。

「……スパーダ、やけに庇うね」
「このオレを差し置いて、ルカが誰かとイチャイチャなんかするはずねーからな」
「その認識もどうかと思うけどねー」
「うっせぇ。だいたいお前はどうなんだよミオ。なーんかご機嫌みたいだけどよ。もしかして、何か……いてぇ!」

ゴンっとスパーダの頭が叩かれる。何かとわたしたちが視線を上げれば、リカルドさんがスパーダを叩いたところだった。
わたしたちを一瞥して、呆れたように小さく唸る。

「いつまでも無駄話をするな。置いていくぞ」
「んだよ、わざわざ叩くなっつーの!」
「アンジュからの依頼だ」

ぱっと前を見れば、ルカたちと一緒に前を歩いていたアンジュさんがふふっと笑う。
思っていたより開いていた距離に、置いて行っちゃうよとアンジュさんが声を張った。

「ほら、三人とも早くしなさい」
「はーい」