99.楽しみ、美人姉妹

「でっか……」

思わず呟いてしまったフーリエさんの研究所は、とても大きい。
パッと見上げた感じ、吹雪で覆われててっぺんが見えないほど高い建物で、扉も非常に大きい。たぶん、大きな機械とかも運搬できるようにということだと思うけれど、それにしたって立派な研究所だ。
フェンデル特有のあの機構的な重々しい印象も受け、もっと怪しげな研究所をイメージしていたわたしが衝撃を受ける横で、パスカルは嬉しそうに扉を見上げる。

「ここがお姉ちゃんの研究所か〜。こんな立派だなんて思わなかったよ。やっぱりお姉ちゃんは凄いな〜」
「パスカルはお姉ちゃん大好きなんだよね?」
「うん、大好き!」

うん、いい笑顔。
姉が大好きでたまらないという笑顔は最高だ。うんうん、仲の良い兄弟姉妹、大好きだな。
ふふふ、と思わずわたしまで笑顔になってしまうと、ソフィが首を傾げた。

「ねぇパスカル、お姉さんってどんな人?」
「年はあたしのひとつ上。昔っからなんでもできる人でね。色々な事に手を出してたよ。あたしはそんなお姉ちゃんに憧れて、なんでも真似してやってたんだよね。お姉ちゃんだったら話をすればわかってくれるよ」

天才姉妹……きっとフーリエさんも美人さんなんだろうな。美人姉妹。いい響きだ。しかも彼女の話を聞くにすごくしっかりとした人みたいだし、パスカルと並んでいるところ、ぜひ見たい。とても見たい。
……ここで言ったらきっとヒューバートくんに怒られちゃうと思うけれど、わたしは今、ものすごくワクワクしている。

「この研究所の中に大輝石があるという可能性はないんですか?」
「それだと話が早くていいけど、さすがにどうかな? とにかくお姉ちゃんに会ってみようよ」