135.絶対、助けるから

部屋の中に入るとシェリアが出迎えてくれた。
みんなそれぞれの事をしながらソフィの様子を窺っていたらしく、ソフィが「アスベル……」と呟いた途端、すぐさまベッドに駆け寄った。
のろのろと体を起こすソフィをシェリアが慌てて支える。

「無理しちゃ駄目よ、ソフィ」
「大丈夫……」

きょろきょろとアスベルを探して手をさまよわせるソフィの手を、アスベルは力強く握った。
アスベルの手を感じた途端に、ソフィは安心したように頬を緩める。

「俺はここだ、ソフィ」
「アスベル……シオリは?」
「わたしもここにいるよ」

わたしも空いている方の手をぎゅっと握った。
その行動に、さっきまであった躊躇いが無くなっていて自分でも驚く。だがソフィが嬉しそうに目を細めたのを見て、わたしは更に力を込めた。

「良かった……シオリが、ちゃんと近くにいるよ……」
「ソフィ……」

ひとつ、深呼吸。
そうだ、わたしはまた忘れていた。
自分の事でいっぱいになって、ソフィを守るって約束した事を忘れていた。
守れないとしても、せめて傍にいなくてはいけないのに、逃げようとした。

「ごめんなさい、ソフィ。もう大丈夫。ちゃんとわたし、決めたよ。ソフィの傍にいる。守ってみせる。わたしからも、絶対。君を守るよ」

わたしからも、敵からも、守ってみせる。
そう強く言えば、ソフィも「うん、」と頷いた。
弱々しくわたしの手を握り返す感触に、彼女の笑顔に。わたしはもうちゃんと切り替えなくてはと思った。

「わたしも……シオリを守るね」
「よし、みんなフェンデルにある熱線発射施設に向かおう。パスカル、詳しい場所はわかるか?」
「北ラント道に沿って進んでベラニックを越えた先だね」
「もう少しの辛抱だ、ソフィ」
「うん、頑張る……」

早く、ソフィを助けるんだ。