少しだけ広い場所に出て、それはすぐに視界に入った。
雪に埋もれるようにして建っている遺跡。間違いなく、わたし達の目的地だ。
「ここが空の海に穴を開ける装置がある場所か」
「この施設がちゃんと動けば、ストラタにあるのと一緒に海辺の洞窟から操作出来るはずなんだよ」
パスカルに確認を取って中に入ろうとすると、海辺の洞窟でも聞いたあのふぉんふぉんという音が聞こえてきた。
空を見れば、やはりポアソンちゃんからの伝言を持つあの鳩が飛んで来ている。
パスカルはそれをまたちょちょいと操作すると、困ったように眉をひそめた。
「どうかしたのか?」
「前にシャトルを制御するのにお姉ちゃんの力を借りられたらって言ったの覚えてる? ポアソンに事情を説明して、あの子から話をしてもらうよう頼んであったんだけど……」
「フーリエさんに断られたの?」
「研究所にこもりきりで会えなかったみたい。手紙は置いてきたみたいだけど……この分だと、シャトルの中から自分で制御できるように改造しないとだめかな〜」
「そんな事出来る?」
「時間があればなんとかなるよ。それがなさそうだってのが今の一番の問題なんだけどさ」
ちらりとソフィを見る。
確かに時間はもうあまり無さそうだ。
このまま間に合わないのでは……という嫌な予感すらして、それを振り払うようにわたしは言葉を出した。
「とにかく中に入ろうよ。時間が無いってなら尚更今出来る事をやらないと」