目の前に現れた光の柱の中に、人影が見えた。
ゆっくりと光が一点に収束していくと、その人影がまだ幼い少女だとわかる。高くツインテールにしているというのに、地面につきそうなくらい長い髪。どこか浮世離れした可憐な少女に、わたし達は驚きの言葉しか出てこない。
……いや、アスベルさんとシェリアは違う意味で驚いているようみたいだけれど。
ただ、そこから動くこともできずに、敵の兵器と共にわたしたちは彼女を見つめた。
「な、なに……?」
「あれは……」
「まさか……!」
「ソフィ……」
ソフィ、と二人が呼んだ少女は、だがわたし達の方へは振り向かない。
むしろ、ぼんやりしているだけにも見える。けれど彼女の目線は、ただぼんやりとしているというよりは、しっかりとフェンデル軍に向けられていて。しばらく無言で見つめあった後、少女はまるでグッとこぶしを握って構えた。
「ってあれ? やる気? 危なくない?」
「一人で立ち向かう気?」
「まずい! 魔神剣!」
アスベルさんが放った衝撃波が、一瞬だけ相手の気を少女から逸らす。
戦いの合図だ。一斉に構えたわたしたちを見ることなく、少女はこの隙は逃さないとばかりに、その華奢な体を翻した。
「やぁっ仁麗閃!」
「水の洗礼!」
「たああぁっ!」
高く飛び上がったシェリアが投げナイフを放つ。兵器はとても固いけれど、同じ場所を傷つければ多少はダメージになるかもしれない。そう信じて、投げナイフによって傷付けられた部位に向かって、わたしは勢い良く剣を振り下ろす。反動で手が痺れたがそんな事は関係ない。
そうして集中的に攻撃していたことが実を結んだのか、やがて機体が大きく傾く。その時には崖へと追いやることに成功していたらしい。
兵器が崖にハマったのを見て、アスベルさんは一気に距離を詰めた。勢い良く抜刀し、切り上げる。そうしてようやく、兵器はその動きを止めた。
「終わらせてやる……全てを切り裂く! 獣破轟衝斬!」