141.全部、取りこぼさない

「よし、これで整備終わりっと。ポアソン、起動して」
「わかりました」
「やったのか?」

シェリアと二人で戻った頃には、ちょうど作業も終わったらしい。パスカルが答えの代わりにガッツポーズをとるのを見て、わたしとシェリアも顔を合わせてガッツポーズをとる。

「喜ぶのはいいけど、本番はこれからだよ? 本格始動するけどいい?」

みんなが頷けば、パスカルも了解したと頷き返す。
……ふと、チリリと胸が焦げるような感覚がした。
胸騒ぎがする。これは、そう、前にも何度か感じたあの感覚。

「それじゃ始めますか。ポアソン!」
「はいです。引き続き発射までのカウントダウンを始めます。二百、百九十九……」
「さて、フォドラに向かって出発しますか。みんな、乗って乗って」
「待って、パスカ……」

嫌な予感がするの、と言いかけて、鳴り響いた音にそれは遮られた。
魔物の声も混じったそれは、予感が当たっていた事を意味している。

「あの音は……!」
「ラントを襲ったのと同じ魔物がここにもやって来たのかもしれませんね」
「なんだって!?」

焦りを浮かべるみんなに、ポアソンちゃんは真剣ながらも冷静にシャトルの状況を伝える。

「まもなく発進の最終段階に入ります。そうなるともう、止める事は難しいです。百八十一、百八十……」
「ポアソン、ここは頼んだよ! アスベル、急いで魔物を片付けよう! ここに来られたらシャトルが飛ばせなくなっちゃう!」
「よし、急いで片付けてまた戻って来よう」
「ソフィさんの事はお任せください。気を付けて!」