地下遺跡なんかと同じワープ装置を使って中に入ったその施設はやはりというか、想像通りというか。外と変わらないくらいに荒れていた。
あちこち柱が倒れて道を塞いでいるほどに崩れているし、床も所々剥げてしまっている。落ちているものに触れてみると、かなり傷んでいるのかすぐに形を崩してしまうものばかりだ。
そしてやっぱり……人の影は、無い。
「パスカルが言った通り、ここは街だったようだな。しかし……」
「ここも酷い荒れようね。こんな所に今も人が住んでいるのかしら?」
「フォドラに来てからというもの、こんな景色ばかりですね……」
誰もいない廃墟ばかり見ていれば、自然とみんなのテンションも下がる。
わたしも無理やり場を明るくする気にはなれずにいれば、パスカルがああっと声を上げた。
「ちょっと、あそこに誰か倒れてるよ!?」
彼女が指差す方向を見れば、確かに人が倒れているのが見える。
慌ててその子の元へ走り出したアスベル達を見送って、横たわるソフィに付き添っているシェリアの隣に座った。
「シオリはいかないの?」
「うん。ソフィといるよ」
「……想像してた場所と、随分違ったわね」
「うん……ちゃんとソフィ、治るかなぁ」
ポツリポツリとそう会話を交わして、眠るソフィの頬をそっと撫でてみる。
あんなに可愛く笑っていた彼女は眠る今も苦しそうで、あんなに嬉しそうにわたし達の名前を呼んでいた声は苦しそうな呻き声しか漏らさない。
何も出来ないって辛いなぁと思う。
そうぼんやりしていれば、アスベルが少し焦ったようにわたし達を呼んだ。
「シオリ、シェリア。生きてる人がいたんだ。今から追いかけるぞ」
「うん、わかった」