159.強化パーツを、求めて

研究所からテロスアステュとは反対方向に進んで、わたし達はバシス軍事基地内に入った。
ちょっと光が入って豪華に見えるフーリエさんの研究所……なんて密かに思ってしまったのは、ここを作ったのがアンマルチア族だったからなのだろうか。見ず知らずの場所ではあるけれど、どことなく見覚えがあるというのが、実に不思議な感じだ。

「放置されてから長い時間を経ているだろうに……古びて見えないのは凄いな」
「シャトルを強化するというパーツはどこにあるんですか?」
「ここの一番奥ですね」

マリクさんの意見に大きく頷いていれば、エメロードさんは基地の奥の方を指差す。
やっぱりそういうのは一番奥……とかいうゲーム式の決まりというのは現実にもあるのか。
とにかく頑張ろうと一歩足を踏み出した時だった。
突然、ビーというけたたましい音が鳴り響く。

「うわわっなに!?」

思わずパスカルが声をあげると、天井からしゅたっと二体のヒューマノイドが降りてきた。
テロスアステュのとは違って武器を装備するそれらは、真っ直ぐにこちらに向かってくる。

「敵!?」
「みんな、構えろ!」
「エメロードさん! こっちへ!」

まずはエメロードさんを庇うようにして、ヒューマノイドの銃撃を防ぐ。
重い攻撃。いくつか傷を負うもなんとか防ぎきって、わたしは回転するように蹴り入れた。

「やぁっ! 流転星脚!」
「遠慮はしない! アストラルベルト!」

そしてトドメにソフィが、まるでアスベルの抜刀術を彷彿とさせるような動きで相手をなぎ払う。
もう一体も片付いたようで、みんなはふうと息を整えた。

「あ〜びっくりした。警備システムか何かだったのかな?」
「じゃあ、この先もこういう事があるってことね。気を引き締めて行きましょ」
「ちょっと待っていただけますか?」

パスカルとシェリアの会話に、エメロードさんが何か厳しい雰囲気で割って入る。
どうかしたのかと聞けば、彼女はどこか沈痛な表情で顎に手をあてた。

「確かに今のは警備システムでしょう。ですが、あれは対ラムダ用に設置したものであり、人間もしくはただの魔物相手には作動しない仕組みになっているはずです」
「壊れたとかじゃないんですか? 放置されて大分たったみたいですし」
「それも考えたのですが……」

ふと、そこで言葉を区切って、エメロードさんはわたしを見た。
首を傾げれば、彼女は真面目な表情のままで言葉を続ける。

「シオリさん、でしたよね?」
「はい、シオリです」
「服を脱いでください」
「はい……え?」