175.動かない、動けない

「シオリ!?」

ガクリと、膝から地面に倒れる。
急に体がガタガタと震えて、それなのに上手く呼吸する事さえ出来なくて、ただ胸を押さえて地面に転がった。
体を支えている事なんか出来ない。
苦しい。
どうして。

「ぁ、ぐ……っ!?」
「シオリ、どうしたんだ?」
「エメロード、まさか……っ」

みんなの声も上手く聞き取れない。
心臓が馬鹿みたいに早く動いて、それなのにそれなのに寒くてたまらない。

「彼女はラムダの力で完全に支配下におくことのできる、絶対の味方……けれど仲間を攻撃しろと言うのも酷ですからね。ここまで私を案内してくれたことへの感謝です」
「あ、ああぅ、ぅああああああっ」
「シオリ!」

助けて。
助けて助けて助けて助けて助けて助けて怖い苦しい痛い助けて怖い苦しい生きたい助けて死にたくない。

「この……っ!」
「無垢な魂よ、癒やしの庭に集え……煌めけ! イノセントガーデン!」
「神なる雷よ、この身にひれ伏せ! ディザイトセイバー!」

遠い。
遠い。遠い。遠い。
みんなの姿も、戦いの音も。
何もかもが遠い。
ふ、と、急に体が楽になった。
もう何も痛くない。
寒くも無い。
ぼんやりする。
嗚呼、そう言えば前も、こんな風な事があったような気がする。
全てが終わって行くような、そんな、そんな感じ。

「ラム……ダ……」

終わる、終わる、感覚。