降りてきたリチャードはそのまま腕を地面に突き刺し、大きく地面をえぐる。
えぐられた破片ごと飛んでくるのを避けると、パスカルは素早く杖銃を構えた。
「終焉の宣告!」
「スカラーガンナー!」
続けて撃たれたソフィの技に、リチャードは必然的にそこで足を止める。
そこを逃さないと、アスベルが大きく踏み込んだ。
「リチャード! 本当にこれがお前の願いなのか!」
「そうだ……誰もいらない。人間など必要ないのだ!」
またそんな中二くさいことを……なんて思いながら距離を取る。
武器が折れているのはなかなかに怖いものがあります、マリクさん!
「紡ぎしは……きゃあっ」
「シェリア!」
アスベルを抜いて勢い良くシェリアまで距離を詰め、一気に爪を振り下ろしたリチャードにシェリアが詠唱を中断させる。
助けなきゃ、と走り出そうとして、また再びこちらに爪を振り下ろされた。やはり折れた武器で二本あっても防ぎきれず、一部が肩に食い込んでしまって痛い。
「ふん……折れた剣でどうするというのだ? それも約束を果たさない貴様が……」
「べっつに……破るつもりは、ないよ!」
「覇道滅風!」
「驚天動地!」
爪を掴んで、勢い良くそれを引き抜けば、そのタイミングに合わせて遠くからアスベルとマリクさんの技が飛んでくる。
地面を登る光と炎にリチャードが怯んだその隙に、わたしは急いで後退した。
「くっ……」
だが、リチャードの余裕は消えない。
再び口元に笑みを浮かべると、その手に光で出来た剣のようなものを作った。
「冥府へ落ちよ、骨身に刻め……神なる腕が命を穿つ! ディヴィニティ・ウィアード!」
何回を連続して切り裂かれる体に、思わず倒れ込んでしまいたくなる。
けれどなんとか立っていれば、わたしの周りを……近くにいたシェリアを含むわたしの周りが優しい緑に光り、風が吹くようにわたし達の傷を癒やした。
「ヒールウィンド! しっかりしてください!」
……ヒューバートくんの技だ。
体制を立て直したわたし達はリチャードを任せて後ろに下がり、詠唱に入る。
「疾風、其は猛き竜翼の暴風、螺旋せし運命切り裂く竜王の光……クロスウィンド!」
四方を囲む竜巻がリチャードへと向かっていく。
ずっと前に、リチャードに教わって覚えた技。
それを彼に使うだなんて、思ってもみなかった。
だがリチャードは動揺するでなく体を縮こまらせると、そのまま前方へ勢い良く回転し風を相殺させる。
「甘い!」
「甘いのは、お前」
風が止んだ、一瞬の無音。
その中で距離を詰めていたソフィは勢い良く拳を振り上げ……そして、舞うように最後の一撃を振り下ろした。
「燃えろ! 焼き尽くす! 火龍炎舞!」