199.守りたい、世界

「紡ぎしは蘇生、訪れぬ終焉。永劫足り得る光の奇跡に名を与え、いま希望を宿せ! レイズデット!」

死者をも呼び覚ますような凛とした声が響いて、みんなの傷を癒やす。
再び立ち上がる彼らのなんと逞しき事か。ラムダの為にわたしも戦わなければいけないのに、体がそこから動く事を良しとしない。

「星屑の破者!」
「焔、其は朽ち果てぬ永劫の脈動 不動なる意思はこの胸に! 情炎、ブレイジングハーツ!」
『おののけ、ディザスターライト!』

彼女とあの人の技が幾つもの弾となってラムダに降り注ぐ。
けれどラムダも負けじと体を仰け反らせ、空からわたしに渡したような黒い剣を全体に降らせた。
無数の刃からは逃れる事が出来ず、膝をついた者が何人もいる。

「再生を願うは我が真なる祈りなり。光よ形を宿し、具現せよ! レイズソウル!」
「紡ぎしは抱擁、荘厳なる大地に齎されん光の奇跡にいま名を与うる! リザレクション!」

すぐさま詠唱が始められた再生術に、彼らは再び武器を構えた。

「レールアロール!」
「カタストロフィ!」

少女が、一気に距離を詰めながら勢い良く切り裂いて行く。
そして自らをも刃に変えるような動きでラムダを蹴り上げた。

「ラムダ……あなたは……もう一人の私だった……私は……私は……!」

少女が着地し、ラムダに一撃が落ちるのに合わせるように、今度は爆煙が起こった。

……いやだ

「この技を使うのはお前が最後だ! ラムダ、お前はここで眠れ! お前のことは忘れはしない!」

火、氷、風……複数の属性がなにかの曲でも奏でるかのように発動し巻き起こり、ラムダの動きを止める。

終わりたくない

「数多の刃は無限の想い……あなたの苦しみ解放したい。眠って、ラムダ!」

動きの止まったラムダに襲いかかる無数の刃が、まるで時間が止まっていたかのように一気に貫き刺さり、大きくダメージを与えていく。

眠りたくなんてない

「終わらせてもらう……歪んだ運命を! ラムダよ、永久に眠れ!」

刃の次は、双剣と双銃の舞いのような怒涛の攻撃。
最後とばかりに放たれた弾が体を貫いて、それは次の彼女と精霊の拳に繋がった。

消さないで

「ソフィのために、みんなのために! あたしは勝利を具現する! ブラドフランム・アサルト!」

何度も撃ち込まれる拳と炎に、ラムダの体が大きく傾く。
そして……彼が跳んだ。

痛い

「全ての因縁と……全ての運命に! けりを付けるぞ、ラムダァァアアア!!」

蹴り上げ、蹴り飛ばし、そして体中に刻まれる無数の斬撃。
それに耐えられる程ラムダは強くなんてなくて、だからラムダはわたしに焦げるような痛みを伝えた後、そのまま倒れ伏した。

嫌だ痛い消さないで消えたくない眠りたくない生きたい生きなきゃ生きなきゃ生きなきゃ生きたいの消さないで消さないで消さないで消さないで消さないで消さないで消さないで消さないで消さないで

「……っラムダ……!」

再び、光に変わる。