港について、あまりの寒さでぶるりと体を震わせる。
ストラタでは暑い暑いと苦しんでいたけれど、フェンデルはもう寒い寒いだ。何せ砂漠が懐かしく思えてしまうほどに程雪が積もっている。
聞いてはいたけれど、思った以上に寒い。吐く息は白く、港もどこか活気がなくどんよりとしている。
「……かなり気温が低いわね。ソフィ、シオリ、大丈夫?」
「平気」
「寒いのは苦手じゃないよ」
「あがが〜寒い〜ソフィにくっついて暖をとろうかな〜」
パスカルの言葉を聞いて、アスベルの後ろにサッと隠れるソフィに無意識に頬が緩む。
可愛いなぁ本当に! なんだか混ざりたくなって、わたしは今閃いたとでも言わんばかりにパスカルに向かって腕を伸ばした。
「そっか……こういう時こそくっつけばいいのか! パスカル!」
「あいあいシオリ!」
伸ばした腕の意味をすぐに察したパスカルがわたしに向かって飛び込んでくるので、しっかりと受け止める。そのままガシィッと抱き合えば、ああ、確かに暖かい。
しかもパスカルは柔らかいし細いし、ううぅ、少し羨ましい。離れがたい。
「大輝石の所在を調べてみましたが、はっきりした事はわかりませんでした。集めた情報を総合すると、帝都ザウェートからそう離れた所ではないようですが」
「なるほど。それならザウェートは遠いのでまずは……この先にあるベラニックの街を目指すのがいいでしょうね。……というか、あなた達には緊張感というのが無いんですか!?」
密偵と話していたヒューバートさんが、いつまでもくっついているわたしとパスカルにそう怒鳴った。
さすがにふざけすぎたか、と思ったけれど、パスカルはそんな真面目な態度でもマイペースにあれぇ〜と首を傾げてみせる。
「なに? 弟くんも混ざりたいの?」
「どうしてそうなるんですか!」