12.久しぶりの、みんなと

「それにしても、なんだか凄いね。またこうやって集まるなんてさ」
「そうね、私もフェンデルにはあまり行ってなかったし……それよりシオリ、その格好可愛いじゃない」

なんとなく話題を振っただけなのに、間髪入れずにそう言ってきたシェリアになんだか照れてしまう。
シェリアの方が可愛いとかそんなのは当然なのだがね。
というか、うん、可愛いのは服であってわたしではないので、正直シェリアやソフィやパスカルに着ていただきたい。
言わないけど。

「みんな誉めてくれるなぁ……服が可愛いんだよ」
「馬子にも衣装という奴ですね。まぁ、姉さんにはそれくらいがぴったりなんじゃないですか?」
「ヒューバートくん、誉めてるのか貶してるのかわかんない……」
「照れてるのよ。ヒューバートってば、パスカル狙いなのかシオリ狙いなのかハッキリしてほしいわ」
「照れてなどいません。というかどちらも狙ってなんか……そもそも、どうしてそこでパスカルさんが出て来るんですか」
「あら、私の目がごまかせると思ったの?」

相変わらず賑やかだなぁなんて思って、笑顔でシェリアとヒューバートくんを見る。
二人もそれなりに久しぶりに会ったようだけど、さて、シェリアはうまくヒューバートくんの青春模様の話を引き出せるだろうか。
ああ、でもパスカルをお嫁に出すのはなんだか寂しいなぁ……みんな本当にわたしのお嫁さんになればいいのに。

結構本気で考えていれば、コツンと頭に軽い衝撃。
考えてる事がバレたのかと振り向けば、アスベルが少しだけムッとしたような様子でわたしを見ていた。
彼に小突かれたらしい。珍しい。いつもこういう時に突っ込んでくるのはシェリアはヒューバートくんなのに。
視線が合うと、思い出したように慌てて目をそらされた。

「え、なに?」
「あ、いや……ソフィを頼むと言ったら、何も言わずに一緒に出てたから、心配した」

あ、そういうことか。
そうだね、ソフィはアスベルの大事な子だってのに無断で出て来ちゃったしね。
こっそり置き手紙くらい置いてあげれば良かったかなーなんて思いながら、わたしは謝る。

「……ごめん。一人で行かせるよりはいいかなって思ったから」
「いや……何もないならいいんだ。ただ、その……あ、あんまり心配ばかりかけないでくれ。ソフィはもちろん、シオリだって大切なんだから」

真っ直ぐ、そんなことを言うもんだから。
まるでわたしも“特別に”思ってくれてるんじゃないかと思ってしまう。
罪づくりだよ、もう。

「……これが天然なんだもんなぁ」
「え?」
「なんでも。でもわかった。ありがとうねアスベル」

それでも自分の気持ちを言えないのは、ただの臆病者なわたし。