ついて行くと言ったサイくんをシャトルに残して、わたし達は原素研究所へと降り立つ。
そこは他のフォドラの施設以上にその中身を痛ませていた。かろうじて、施設の形を残している、といった方がいいかもしれない。赤黒く変色してしまった壁に、今にも崩れるんじゃないかと亀裂を入れた柱や床が、なんとも不安な気持ちにさせる。
「何があったらこうなるんだ?」
「街や他の施設とは明らかに雰囲気が違いますね」
「なんだか、気味が悪いわ」
「風化の具合からして、数百年以上前にって感じかな?」
「フォドラが滅んだ時期と重なるかもしれないね」
「滅んだ……」
研究所が滅んだのと同時期……まあ考えられないわけじゃないか。
原素の研究所なんだから、一番に影響されてそうだしね。
ふむと考えていると、隣にいたソフィが急に頭を抱えだした。
どうしたのかと、ソフィを挟んで隣のシェリアと一緒に彼女の肩を支える。
「大丈夫!?」
「どうかしたの?」
「……やっぱり。わたしの事、呼んでる」
その言葉はつまり、あの花畑の女の子に、という意味なのだろう。
彼女がここにいるのか、それとも花畑から呼んでいるのかまではわからないが、少なくともわたし達には聞こえない声を聞いたという事だ。
「ソフィにしか聞こえない声が聞こえたのか?」
「早めに中を調べた方が良さそうだね」
リチャードの言葉に、わたし達は心なしか早足で中を進んだ。