45.増える、その

波動砲を避けた先で、真っ直ぐに脚を振り下ろして来た彼女から転がるように逃げながら、わたし達はそれぞれの武器を構えた。
すぐに配置につこうと走れば、複数人存在するリトルクイーンはそれぞれが別々に行動し迫ってくる。

「逃がさない!」

数の力も、団結の利点も、ちゃんとわかっているのだろう。それを封じるために、彼女はみんなにそれぞれ一人ずつ相手するように数を増やして攻撃を仕掛けてくるものだから、互いに互いを支援出来ないように分散させられてしまった。
彼女の足に宿る輝力が凄まじい勢いで襲ってきて、わたしもみんなから離されながらガードしていく。

「くっ……光星翼!」
「そこだ!」
「ぐっ……!」

カウンターの要領で蹴り返されて、飛ばされる。
そうしてから、彼女は周りの輝力を集中させて固形化し、それごと一気にわたしを放り出した。

「共に行こう……星のもとへ。パリフィケイション!」
「うああっ!!」

素早くて重い、さっき戦ったわたしよりもずっとずっと強いそれに、わたしは手も足も出せないままひたすら防御に徹した。
ちらりと周りを見れば、前衛組がそれぞれリトルクイーンを倒し、防御力の低い後衛組に走っている。
なんだかんだ近接にも強いパスカルを確認してわたしの方に走ってくるソフィに、わたしは勢い良く転がってリトルクイーンから離れた。

「シオリふせて! 勝負を決める!」

転がったわたしの上を跨ぐように跳んで、ソフィはリトルクイーンに向かって勢い良く走った。
残像が見えるほどの素早さで駆け抜け、そして彼女を突き飛ばす。

「風と共に、駆け抜ける! 秘技、シャドウ・モーメント!」

ぐらりと膝をついて消えたリトルクイーンに、わたしはソフィに笑って走り出した。

「ありがとう、ソフィ!」
「守る!」
「愚かなことを……!」

二人して駆けて、そして残っていたリトルクイーンの分身へと技を叩き込む。
彼女は顔をしかめると、わたし達から大きく距離を取りながら……再び、幾人もの分身を生み出した。