今のが、パスカルが研究所から持ってきたデータを再生した映像だ。
サイくんが直してくれたシャトルに乗ってテロスアステュに戻ってくるまで、ソフィはずっとだんまりだった。けれど今はソフィだけでなく、今の内容を見たみんなが言葉を発せずにいた。
ただの記録だ。
記録だけれど、ここには今まであった認識とは全く違うことまで入っている。
やがて、アスベルがゆっくりと口を開いた。
「本当にあった出来事なのか、今のは……」
「正真正銘、今から約千年前の映像だと思うよ」
「フォドラが人を見放したって……」
「その理由はわかりませんが、ひとつはっきりしましたね」
「ああ、リトルクイーンをこのままにしておくわけにはいかない」
「だけど、どうすれば?」
「理屈としては、フォドラの核を停止させればいいんだと思うよ」
そうすれば、核の意志とも言えるリトルクイーンは行動出来なくなる、とパスカルは説明する。
確かにそれが一番わかりやすいだろう。わかりやすくて、実際に結果も出ている、確実な方法。映像の中でも言ってた通りの荒業だ。
「だが成功したのかい? 彼らはリトルクイーンによって殺されてしまったんだよ」
「しかし、フォドラの核が千年近く停止していたのも事実なんだ。何か方法はあるんじゃないのか?」
一体、当時は何をして停止させていたのか……それはわからないけど、とりあえず核が起動しなくなればいい。
その方法が浮かばないでもないけど、それを言うのは少し躊躇った。
それは……たぶん、確実だけど不安もあるだろう方法だから。
「う〜ん……一個だけ、方法はあると思うんだけど」
黙り込んだわたし達に、パスカルはそう進言した。
一体なんだ、と彼女に集まった視線の中でパスカルはわたしを、そしてアスベルを見た。
それだけでわかる。
だからわたしも、ゆっくりとそれを口にした。
「……ラムダの手を、借りるんだね」