「逃れえぬ連鎖を絡める名を宿せ! インサイト!」
「気合いで、ゴー!」
シェリアとパスカルの補助が響いて、それに後押しされるように地を蹴った。
見上げる程だったフォドラクイーンは戦いやすいように姿を縮め、まるで蓮の花のように美しいな薄い花びらの上に立っている。
背中に広がる6対の小さな翼のような物を広げ、操り、そこから放たれる光がわたし達を貫こうと飛んできた。
「切り裂け裂空! 一閃!」
「はぁっ鷹爪襲撃! 旋幻舞! スラッシュローズ!」
「朧月夜! 双月!」
アスベルとソフィとリチャード。
主に前衛で戦う三人が集中してフォドラクイーンに攻撃を繰り出す。
リトルクイーンと違って彼女は一人だけなのだ。数人で囲むことで攻撃の隙は与えまいと連撃するが、それは大してダメージに繋がっていないらしい。
フォドラクイーンは翼を大きく広げると、よろける事無く反撃の体制へと移った。
「小癪な……爆ぜよ!」
翼から雷が落ち、自身の周りを囲っていた三人を弾き飛ばす。
そのまま翼を一つに纏めて剣に形を変えれば、花びらを勢い良く蹴って詠唱を続ける後衛へと迫った。
「後衛に攻撃は届かせないよ! 煌華星葬刃!」
「叩ききれないのはぼくが落とします! レールアロール!」
みんなを守るようにフォドラクイーンの前に立ちふさがって、剣を横に大きく薙ぐ。
すんでのところでよけられるが、別にそれは構わない。彼女の攻撃をみんなに当てるわけにはいかないのだから、遠ざけることができたなら十分だ。
ヒューバートくんが再び展開しようとした翼を双銃で撃ち落として牽制し、フォドラクイーンを大きく後ろに押しやる。
「星を超え我が道を阻む者を光に溶かせ! シューティングスター!」
「決死、其は生還のための意志、スーサイドエコー!」
「此処に降臨し名を示せ。怒りではなく赦しではなく、それは純粋なる真理! ヴァーチュアスレイ!」
そこに、詠唱が終わった三人の輝術が放たれた。
眩しいなどではすまない純然たる幾つもの光がフォドラクイーンを貫いて、彼女は表情を歪める。それでもまだ致命的なダメージにはならないのだろう、すぐに術を発動させようと構えた。
「ぐうっ……逃がさぬ! 流道の水よ……アクエリアス・スフィア!」
水が渦巻いて沈んで、まるで深海に落とされたような圧迫感と息苦しさ。
射程内から微妙に逸れていても強い奔流が体を引き裂くようで、直撃を受けたリチャードその場に膝を着いた。
それがチャンスとばかりに剣を振りかざすフォドラクイーンに、アスベルとパスカルがすかさず間に割り込む。
「リチャード! はああっ幻魔衝裂破!」
「具現せよ、新たなる息吹! ドリームファンダム!」
「再生を願うは我が真なる祈りなり。光よ形を宿し、具現せよ! レイズソウル!」
「すまない! てやぁっ断空剣!」
いつの間に造ったのやら、ソフィの形を模した二等身のロボットから飛び出すミサイルと共に、アスベルの放つ衝撃波とリチャードがフォドラクイーンを叩く。
切り返しに対応しきれなかった彼女の隙を逃さず、リチャードは斬撃を繰り出した。
「この技で沈め! 緋凰絶炎衝!」
炎を纏うような斬撃。
一撃一撃が重いだろうそれを全て受けきって尚、フォドラクイーンは強い眼差しで体を起こす。
彼女は決して膝をつくことなく、戦闘の構えも解かなかった。
「まだ終わらぬぞ!」