「煌めけ、夜天の極光! 落ちよ、スターライト!」
「穿て、裂閃! 無限の拳閃! 蒼空を駆けよ! ゼロ・ディゾルヴァー!」
コハクちゃんの激しい攻撃を潜り抜けて、ソフィの光が彼女の動きを完全に止める。
膝をついた彼女は一つ苦しそうに息を吐いて。あの光に包まれてからまた明るい笑顔を見せた。
なるほど。やっぱりここにいる限りは絶対に死ぬことはないらしい。
「強いのね、君たち」
「これで一歩前進ね、アスベル。さあ、行くわよ」
「あ、ああ……」
「どうしたの、そんなに急いで」
ぐいぐいとアスベルの背中を押してシェリアが歩き出す。
何故かわたしもヒューバートくんに腕を引っ張られた。
「ばいばい」
後ろからくすくすと笑いながらコハクちゃんが手を振って、わたしは引っ張られながらも振り返す。
最後にソフィも手を振り終わって合流する頃にようやく手を離して貰ったので、わたしは首を傾げながらもコハクちゃんのことを話題にあげた。
「可愛い子だったね。綺麗な脚だしスレンダーな黒髪美少女だし美脚だし」
「……はあ」
「え、なんでシェリアがため息つくの」
「べつにー。もう、シオリったら」
「姉さんはどうしてこうなんでしょうね」
ヒューバートくんまでため息を吐く。
どうしたんだと眉を顰めると、マリクさんが小さく笑ったのが見える。
うーん……あれかな。ヤキモチかな。この二人は過保護というかちょっとヤキモチ妬きというか、そんなところがある。それは初めて旅をしたときから変わらない。
勘違いなら恥ずかしいけど、そうだと嬉しいなあと笑みを零して、わたしはシェリアとヒューバートくんの手を握った。
「心配せずともわたしの一番の親友はシェリアで、ヒューバートくんはパスカルの子だよ」
「何の話ですか!」
ヒューバートくんはわたしの手を叩き落として、耳が赤くなって忙しなく眼鏡に手をかける。
うむ、これは照れてる。流石に一年以上一緒なんだからお見通しなのだよ。
「い、一番の親友って……もう! ばか! 仕方ないんだから」
シェリアにもばちんばちんと叩かれた。でも嬉しそうに笑っていて可愛いので問題ない。というか二人とも照れ隠しが痛い。
あはは、と笑って少し前を歩くアスベルを見る。そういえば、アスベルはよく見てたなぁなんて思い出して。
ちらりと、わたしのそれを見る。どう頑張って見てもあそこまで綺麗じゃない。彼女が理想なら、全くそれに叶っていないことになる。
……いやでも、まあ、わたしはそれでも十分だし……一応、その、アスベルとわたしはそういうわたしは関係だし、て、どこに向かって言い訳してるんだ。
わたしは一つため息をついてそっとアスベルに近付くと、少し気弱に笑った。
「……アスベル」
「なんだ?」
「脚、あんまり綺麗じゃなくてごめんね」
「は?」
「よし、次、行こう!」