24.黒い、亀商人

「これが、ご都合展開……」
「うまく行き過ぎて、なんだか不安になるな……」

ゾーオンケイジに戻ってきたわたしたちの目の前に立ちはだかるのは、黒い大きなトータスを連れた、黒いかめにん。
つい先ほど探してほしいと頼まれた、黒いかめにんだ。
普通のかめにんより、ちょっとダークな化粧と不敵な笑みを浮かべる彼は、だが他のかめにんと同じような仕草で地面を踏み鳴らした。

「トータース! トータース!」
「パスカル、知ってる人?」
「知ってる人じゃなくて、知ってるかめにんでしょ? あたし、あんなへんてこかめにん知らないよ〜」
「へんなかめにんじゃないっす! 許さないっす!」

ソフィとパスカルのやり取りに黒いかめにんが怒る。

「あ……国境の砦にいたかめにんさんだ」
「そうなの? よく知ってるねソフィ」
「あんなのいたかな〜?」

ダメだ、思い出せない。
というかあまり国境の砦付近をうろうろした覚えもないから、もしかしたら別行動していた時に出会ったのかも。
くっ……会ったかどうかも覚えてないとか、なんかちょっと悔しいぞ。

「もう許さないっす。オレは亀車の積荷を断りもなく勝手に次々と解いちゃうほどっすよ!」
「ん? なんのこと?」
「じゅ、縦列駐亀車でもゴシゴシ擦りながら停めるっすよ!」
「……?」

微妙な悪事を自慢気に話す黒いかめにんだが、正直わたしたちには「迷惑だなぁ」くらいしか思わないので、どう反応していいのか困る。
特にソフィとパスカルは仕草でそれを訴えるから、彼は歯がゆそうに眉をつり上げた。

「バカにしてるっす、滅ぼすっす! 全滅っす! 暗黒よりに落ちたかめにんの力を、見せつけるっす!」