29.誓う、想いを

「おお〜っ! 聞いてはいたけど、本当に違う場所に出るんだ〜」
「違う場所っていうか……」
「ここ……」

今回は珍しくアスベルはいなくて、わたしを含めた女子四人で、仲良くお約束として落とされた。
どこまでも広がる空と、静かな森。
赤い空の向こうには青く輝く星があって。
見たことはある、でも見慣れないその景色のある場所はすぐにわかって、わたしは思わず叫んだ。

「フォドラもありなの!?」

そう、わたしたちがいるのはフォドラだ。フォドラの森のど真ん中。
今まで時間は超えたけどエフィネアの街ばかりだったし、なにより羅針帯があるのがエフィネアだから、そこしか落ちる場所はないと思っていたのだけど……

「たぶん、羅針帯を造ったのがフォドラの人たちだからじゃないかな。ここ、前に墜落したとこでしょ」
「うん。フォドラだよ」
「思ったより見境なく落とされるのね……」

落ち着いて状況を分析する三人が心強すぎる。
以前より緑の増えた森を見渡しながら、これなら安心だな、とそっと息を吐いた。
フォドラクイーンはまだラムダと一緒に眠っているし、ソフィに力を渡したリトルクイーンが再びその姿をとることもしていない。それでもゆっくりとフォドラは再生しているのだと、前より息苦しくなくなった空気にそれを感じた。
ふと、フォドラクイーンと戦う決戦前夜とそのあと……ええと、アスベルと、その……正式にお付き合いする直前を思い出して。
ついでに、目の前にある大きな木を見て、わたしはみんなを呼んだ。

「あ、そうだ。ねえみんな、前に友情の誓いやろうって言ったよね?」
「ええ、言ったわ。どこの木を使うか、シオリに決めてもらおうってなってたのよね」
「うん。それ、ここの木にしない?」

この森の中でも一際大きなそれ。
木の幹をとんと叩くだけでも立派だと感じる木を示して提案する。

「確かに大きな木だね」
「わたしはいいと思う。あまり見られない場所だと、誓いはもっと堅くなるんだよ」
「それならここは持ってこいかもね」

まだ誰もいないフォドラの木。
再生していく世界の一端である木に友情を誓うのは、なんだかとてもいいアイデアのような気がした。
パスカルがいいアイデアだと騒いで、ソフィも同調すれば、シェリアもそれでいいとナイフを貸してくれた。

ソフィ、シェリア、パスカル、シオリと、木の幹にそれぞれの筆跡の名前が彫られる。
それから、ソフィに教えてもらいながら四人の手を合わせる。
それぞれの顔を見て、ちょっとだけくすぐったそうに笑って、それからぎゅっと手を握り合う。

「わたしたちは、ずっと友達でいよう」
「どんなに時がたっても、友達でいよう」
「何があったって、いつだってどんなときだって!」
「ずっと友達で……いよう」

どこまでも、未来まで。
友達でいよう。
今まで旅をして、戦って、笑い合って。同じように、これからも一緒にいようと誓うわたしたちの友情の誓いを、わたしたちはやっぱり、笑顔で交わした。