怒らない、怒らない

SKIT

「ナギサって、あんまり怒らないよねえ」

「そう? わたしさっき、ふざけて飛びついてきておんぶ! とか言ってきたやんちゃわんぱく小僧ロイドにしこたま怒ったところなんだけど」

「あれはロイドが悪いし、もう少し怒ってもよかったと思うよ。そうじゃなくてさ、なんというか、控えめ、っていうか、達観してるっていうか、怒らないようにしてる感じがして、無理してるんじゃないかなって」

「うーん……無理というか……怒らないようにしてるのはそうかも。怒ってもいいことないっていうか、悪いことばっかり起きちゃったから。わたしもいい歳だし、もう少し冷静になろうって思って」

「え? ナギサっていくつなの?」

「……女の人の中には年齢を気にする人がいるから、気軽に聞いちゃだめだよ」

「ナギサは聞かれて困る人じゃないでしょ」

「なんでそんなわかった顔をしてるんだ。その通りだけど。今は二十四歳だよ」

「ええっ!? 姉さんより年上なの!?」

「お、大人の落ち着きが足りてなくてすみませんねえ!」

「いたたた、そんな乱暴に頭撫でないでよ!」