「おめでとうございます!」
アルタミラの門をくぐったとたん、わっと集まってきた着ぐるみに思わずたじろぐ。
なんだなんだ。しかもその着ぐるみたちはわたしを囲んでくるから困惑だ。さっとリーガルさんが後ろを向いて隠れるのを視界の端に捉えながら、わたしがええと、と愛想笑いを浮かべたところで、一匹の着ぐるみが何かを差し出してきた。
「あなたはリゾートアイランド・アルタミラ本年度百万人目のお客様です!」
わあっと歓声を上げながら、周りの着ぐるみがクラッカーを鳴らす。ぱらぱらと落ちてくる紙吹雪の中で、へ、と間抜けな声が落ちた。
どうぞと渡されたのは、アルタミラ記念フリーパスと書かれたチケット。わあ。実物は見たことないけど、こういうチケット懸賞で当たるとかで見たことある、来場何人記念とか、そういうのも、存在しているのは知っている。
この世界でもあるんだ。ていうか。
「わ、わたしが? このタイミングで……!?」
「つきましては、ホテルレザレノのデラックススイートペア宿泊券を差し上げます」
「す、すげー!」
「こちらのフリーパスをご利用いただくと、乗り物が無料で楽しんでいただけます。また、デラックススイートの眺めはテセアラいち。ぜひ、お楽しみください!」
「あ、ありがとうございます……」
「おめでとう〜!」
周りの空気に飲まれているのか、天然なのか、パチパチと拍手をしてくれるロイドとコレットにとりあえず笑って、ありがとうございますと記念品のチケットたちと、それを入れるためのファイルをもらう。
こ、こんなのもらったの、はじめて……今日はさすがに無理だけど、今度ぜひ、機会があれば使用させてもらおう。
今はそれよりも優先しなきゃいけないこと、たくさんあるからね。
お祝いしてくれた着ぐるみたちを見送ってから、身を潜めていたリーガルさんも合流して、目的であるアリシアさんの話へと無理やり軌道修正させる。
「アリシアの話はどこで聞いたのだ?」
「レザレノ・カンパニーってとこの空中庭園にあるアリシアのお墓だよ」
「……ではそこへ向かおう」