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ミトスをアルテスタさんの家に送り届けてから、約束の場所であるメルトキオへと向かった。
また会いに来てね、と言った彼に、わたしはもちろんと答えた。きっとジーニアスと一緒に来るからねと言って、待ち合わせの場所に飛び立つ。

わたしが合流した時には、まだ全員はそろっていなかったけれど。数分も経たないうちに、それぞれに縁ある土地へ散っていたみんなが集まってきた。
特に、別れる前と様子が変わった人はいない。みんなの顔を見回してから、ロイドはみんなが出した答えを知るために口を開いた。

「みんなの答えを教えてくれ」
「わたしはもちろん、ついていくよ。ここで放り出すなんてこと、できないから」
「ボクも……シルヴァラントへ帰る。ミトスもわかってくれたし……それに、ボク、ロイドにずっとついていくって、約束したからね」
「私もよ。シルヴァラントはこれから復興する世界だわ。教師が必要だと思うの」
「私ももちろんシルヴァラント組さ。ミズホのみんなとは別れをすませてきた。そっちはどうなんだい」

もともとシルヴァラントで暮らしていたジーニアス、リフィルさん、そして契約のためにもここに残ることを考えていなかったしいなは、すぐにそう答えを出す。
問題は、テセアラに暮らしていて、テセアラで生きてきた三人だ。緊張しながら彼らを見れば、リーガルさんとプレセアちゃんは相変わらず落ち着いた様子で口を開く。

「会社はジョルジュにまかせてきた。私はアリシアのような犠牲者を生まないためにも、ロイドに協力したい。我が力は微々たるものかもしれぬが……」
「私は……正直言って、どちらにしたらいいのかわからない……です。ただ……ロイドさんたちがいなければ、私の時間は戻ってこなかった……だからロイドさんたちに……私の新しい時間を預けます」

二人がついてきてくれることを確認して、全員の視線は一人に集まる。
まだ、答えを教えてくれていない人。ゼロスくん。彼は自分に集まった視線を受け止めながら、おいおい、と肩をすくめた。

「ゼロスは……?」
「……な〜んだよ。結局、みんなわざわざ好き好んで衰退世界へ行くのかよ」
「それじゃあ……!」

ぱっと、ロイドの表情が明るくなる。その素直な様子に彼は苦笑して、ひらりと手を振る。

「世界が分断されれば神子はいらなくなる。したら、俺様は晴れて自由の身だ。シルヴァラントのまだ見ぬハニーたちに愛をプレゼントよ」
「みんな、一緒なんだね!」
「そーゆーこと」

よかった。みんな、最後まで一緒なんだ。
これまで一緒に旅をしてきたみんなで、最後の契約に向かうことが決まって、特にロイドが嬉しそうに笑顔を浮かべる。それを見ながら、みんなも力強くうなずいた。

「よーし! みんな行こう! 世界を切り離すために!」
「未開の野蛮人を文化人にしてやらねーとな」
「未開の野蛮人とかゆーな!」

……相変わらず、微妙に緊張感がないけれど。
いつも通りのわたしたちで、わたしたちの方法で、世界を救おう。
最後の契約である光の精霊が待つシルヴァラントに向かって、わたしたちは足を踏み出した。