61-2

「プレセア。君には姉がいなかったか?」

リーガルさんが神妙な様子でプレセアちゃんに話しかけた。
それが、彼がずっと、彼女に聞きたかったことなのだろう。けれど彼女は不思議そうに首を傾げて、どうしてそんなことを、と呟いた。

「え……姉ですか? いません。妹なら一人いるけど、奉公に出てそれきりです。ママは早くに亡くなりましたし……私は一人になりました……」

彼女の返答に、彼は「そうか」と一言呟いて目を伏せた。
どうやらこの質問をしたくて、彼女を気にかけていたらしい。わたしにはよくわからないけれど、教皇との交換条件を無視してまで話したかったことなのだから、とても重要な質問だったのだろう。

「あの、私、みなさんについて行ってもいいですか? コレットさんが連れ去られたのは私のせいです。これから助けに行かれるんでしょう? だったら手伝いをさせてください。でないと私……」
「私も頼む。どうやら、お前たちの的は私の因縁の相手でもあるようだ」

ぐっと決意を込めた目で、プレセアちゃんとリーガルさんがロイドを見る。
ロイドはその視線をしっかりと受け止めると、力強く頷いた。

「ありがとう、二人とも。力を貸してくれ」
「感謝する。我が力すべてをもって、お前の信に応えることを誓う」

臨時ではなく、正式に仲間になった二人を歓迎して、さあ次はどうするかと考える。
コレットを早く迎えに行きたいけれど、わたしたちはレアバードがなければ空を飛ぶことはできないし、どうしたら……

「神子を奪われたか」
「……クラトスさん!?」

突然聞こえてきた声に振り返れば、そこに立っていたのはクラトスさんだった。
思わずロイドが前に出て、ぐっと彼を睨んでも、やはりいつものように涼しい顔で受けとめている。

「またお前か。コレットをどこへやった!」
「ロディルは我らの命令を無視し、暗躍している。神子がどこにいるかなど、私の知るところではない。しかし、奴は神子を放棄せざるを得ないだろう」
「放棄……どういうことだ」
「あのままでは使い物にならんということだ。捨て置いても問題なかろう」
「なんだと!? 俺は、何があったってコレットを助けるからな!」

ぐっと自分を睨むロイドの視線をしっかりと受け止めてから、クラトスさんはくるりと踵を返した。

「ならばレアバードを求めろ。そして東の空へ向かうがいい。ミズホの民が、そろそろ発見している頃ではないのか?」
「え、どうしてそれを……」

知っているのか、と問う前に、クラトスさんはオゼットの村から出て行った。
相変わらず肝心なことは何も言わない、だがどこか自分たちを誘導するような……真意の見えない行動をする彼に、思わずため息を吐く。

「あいつ……この間といい、どういうつもりなんだ」
「まあ、いいじゃないか。レアバードが必要なのは本当だし、ミズホの里に戻ってみよう」