「うぐっ……」
ぴくりと体が痙攣するのを感じながら、ゆっくりと意識が浮上していく。
わたし、今、意識を飛ばしていたのだろうか。どれくらい? 契約はどうなった?
必死に体を持ち上げて近くを見れば、ジーニアスたちが倒れていた。ジリジリとヴォルトの雷の音がする。まだ時間はそう経っていないのだろうと判断したところで、絹を裂くような悲鳴が上がった。
「こ、コリンっ!?」
慌てて、視線をやると、くったりとしたコリンちゃんを抱き上げるしいなが見えた。
彼女が抱える小さな体は僅かに痙攣している。辺りに、ヴォルトの雷が落ちる。ああ、コリンちゃんはしいなをヴォルトの雷から守ったんだとぼんやりと気付いて、ならばわたしも立ち上がらなければと力を籠める。
「どうして!? コリンっ!」
コリンちゃんが、宣言通りに、ちゃんとしいなを守ったんだ。
わたしは力任せに床を蹴って、続いて放たれた雷を帯で受け止める。
「しい、な……」
コリンちゃんの弱々しい声が、後ろから聞こえてきた。でも、そちらに駆け寄ることはできない。してはいけないと、そう思った。
再びの追撃。今度はロイドが剣で弾いた。ロイドだけじゃない。みんなが次々に立ち上がって、ヴォルトに武器を向ける。
誰一人、しいなとコリンちゃんの会話を邪魔する人は、いなかった。
「しいな……ヴォルトは人間を信じられなくなってるだけ……ちゃんと誓いをたてて、もう一度……契約してごらんよ。しいななら、できるよ……」
「コリン」
「ずっと一緒にいるって約束したのに……ごめんね、しいな。これ以上、力になれなくて」
「コリーン! 待って、行かないで、コリン! いやああああ!!」
しいなの泣き声が響く。響く。
振り返れないけれど、わかった。彼女は精霊としてマナに還ったんだ。そう直感して、じわりと滲む視界にぐっと奥歯を噛む。
彼女に向かって放たれる雷を打ち消しながら、わたしたちは叫んだ。
「しいな! しっかりして! こうなったらヴォルトをねじ伏せるよ!」
「このままじゃ、いつまでもヴォルトの影に怯えて生きていくんだぞ。そんなの、コリンが喜ぶと思うか? コリンの気持ちを無駄にするな!」
……ずっと一緒にいるって、約束。
その約束に込められた祈りを、思いを、わたしだって、想像できる。本当に本当に相手が大好きだったからした約束。とっても大切な約束。
そんな大切な約束を破ってでも、しいなを守った……しいなのお友達の覚悟を、わたしたちはちゃんと知っている。
だから、彼女に立て、と叫んだ。コリンちゃんのために。しいな自身のために。立ってくれと、叫ぶ。
そして雷を弾いて、彼女の後方へと跳べば、見えた。
「あたしを命がけで守ってくれたみんなのために……お前の力を貸せ! ヴォルト!」
それまでの怯えた表情はすべて押し込んで。
自分の足で力強く立ち上がって。
まっすぐにヴォルトを見据える、しいなの姿が。