ミズホの人達に教わったレネゲード基地は、あたり一面を氷に覆われた小島に存在していた。
シルヴァラントでは砂漠にあったというのに、これまた両極端な環境下に存在す基地に、なんとなく先日の精霊によるマナの楔を思い出す。確か火に対応するのは氷だったし、この基地の場所が両極端なのも、それに何か関係があったりするのだろうか。
そんなことを思いながら、岩礁の隙間をエレカーで縫い進んで、なんとか基地へと進入する。先に仲間として潜入していたミズホの民とおろちさんに奥へと導かれて、基地内の地図を表示してもらう。
基地の基本的な造りは、やっぱりシルヴァラントのそれと変わらない。格納庫に通じるパスワードのある場所を教わって、いざ、というところで、今の状態ではシルヴァラントへの移転は出来ないらしいと告げられた。
なんでも、空間転移には二つの世界のレネゲードベースからエネルギーを供給されないといけないとのことらしい。飛ばすことそれ自体はヴォルトの力があれば問題ないけれど、シルヴァラントへ飛んで精霊と契約することは、まだできないらしい。
あの時、テセアラに移動できたのは幸運だったということだ。
「あれが格納庫だな。俺さま、一番乗り〜って、あれ」
おろちさんたちと別れて格納庫へ到着したところで、一番に入ったゼロスくんが不意に立ち止まる。
やけにひきつった顔で半歩下がるゼロスくんに、わたしたちは自然と身構えた。
「……おい、ロイドくん。こりゃどーいうことよ」
「え、何が……!」
踏み込んだ格納庫の中では、ユアンさんとボータがわたしたちを挟み込むように立っていた。
待ち伏せされたのだ、と気付いた時には扉はもう閉まってしまっていて、レアバードの前に立ってユアンさんは不敵に笑う。
「相変わらずまぬけなやつらだ。ロイドよ、今日こそ決着をつけてやる。覚悟しろ!」
「くそ! もうちょっとだってのに!」
全員が同時に武器を構える。
ユアンさんは両端に刃を付けた剣を抜き、わたしたちに向かって突進してきた。
すぐにリーガルさんとプレセアちゃんがそれに迎え撃つ。
「行きます。裂旋斧!」
「鷹爪蹴撃!」
「甘い! サンダーブレード!」
早い。ジーニアスよりも素早い詠唱で雷が落ちてくる。
それでも負けじと近付いて、わたしは蹴り上げながら帯を力いっぱい振り上げた。……レネゲードから借りっぱなしのエクスフィアで戦うって、なんか申し訳ないけど、気にしてられない。
「鷹爪岩砕破!」
「貴様の相手はこちらだ!」
「あっ!」
叩きつけようとしたところで、横から割り込んできたボータに邪魔される。
床を砕きわたしを追い詰めてくる動きに、防戦一方だ。
でも、こう言ったらなんだけど、数ではわたしたちの方がずっと多い。
後ろから飛んでくる支援だって、一人だけじゃない。
「後ろががら空きだよ! エアスラスト!」
「フォローは任せなぁ! ヒールウィンド!」
「ありがとう! やああっ流転輪廻!」
目の前で竜巻を起こして、後ろに大きく下がる。
それからゼロスくんの魔術が帯に宿って、わたしは高く飛び上がった。
「いっくぜぇナギサちゃん!」
「この歌を、家族と犬に捧げます!」
「「煉舞羅刹槍!」」
自身が槍のように勢いをつけて突進し、ボータを貫く。
そうして彼が地面に膝をついたところで、ロイドたちが対峙していたユアンも地面に倒れた。