「やっと見つけたぞ、コレット!」
レアバードを飛ばして数分。クラトスさんの助言通り、オゼットの東の空を飛んでいれば、空に浮かぶ飛龍の巣を見つけた。
ロディルがコレットをさらった方法は飛龍だ。きっとここにいるに違いない。そう思ってわたしたちは飛び降りた。
ちょっと天空に浮かぶ小島ってことと竜の巣で思い浮かぶあれがあるけど、あそこまでは大きくない。どちらかというと狭いその場所の中心に、コレットは立っていた。
「来ちゃダメ! 罠だよ!」
「罠って……」
コレットの強い声に思わず立ち止まって彼女を見ると、コレットの足下から光が滲んでいて、さらに鎖で繋がれているのが見えた。
鎖を外さなくちゃと一歩踏み出したところで、その傍らにロディルの姿が浮かび上がる。ギリ、と隣でプレセアちゃんが斧の柄を強く握り締める音がした。
「ロディル……!」
「今まで私を利用してきたこと……許せません! 私のせいでコレットさんは……コレットさんを返しなさい!」
プレセアちゃんが容赦も躊躇いもなく斧をロディルに向かって振り下ろす……けど、ロディルの姿はノイズがかかったように揺らいで消えて、すぐに別の場所に現れた。
ホログラムだ、と理解したときには、ロディルは心底おかしそうに笑い声をあげていた。
「ふぉっふぉっふぉっ。そんな出来損ないの神子などくれてやるわい! ふんっどうりでユグドラシル様が放置しておくわけじゃ!」
「出来損ないだと?」
「そうじゃとも。その罪深い神子では、我が魔動砲の肥やしにもならんわい。世界も救えぬ、マーテル様にも同化せぬ。挙げ句の果てに、こうして仲間を危機に陥れる。そうではありませんかな?」
にたにたと笑うロディルに、コレットはうつむく。
「何も言えませんか、神子。愚かなる罪人よ」
「勝手なことばかり言わないで!」
コレットの手が僅かに震えているのが見えて、わたしは思わず叫んだ。
「わたしたちがここにいるのは、わたしたちが決めたこと。わたしたちがコレットと一緒にいたいって我が儘で、コレットをマーテルに同化させないで連れまわした。一緒にいたいからここにきたんだ!」
そうだ、全部わたしたちのわがままなんだ。
コレットもシルヴァラントもテセアラも救いたいっていう、わがまま。
わたしたちが選んだわがままに、わたしたちの選んだ選択に。わたしたちが背負わなければならないことはあっても、コレットが背負うべき罪なんてない。
「コレットさんは罪人なんかじゃありません。ありもしない罪をなすりつけないで」
「そうだ。罪を背負うのは私だけでいい。そして愚劣な貴様こそは、罪そのもの」
プレセアちゃんとリーガルさんの言葉に、ロディルはぴくりと頬をひきつらせた。
纏う空気が、見下すようなそれから怒りを含んだものに変わる。天高く腕を伸ばして、声高に叫んだ。
「……愚劣だと? わしが愚かだというのか。ふざけるでない、この劣悪種どもめがっ! ……わしの可愛い子供たちよ! ここに戻り、劣悪種たちを存分に食い散らかすがよい!」
「ああっみんな逃げて!」
コレットの悲鳴と一緒に、騒がしいほどに空を切る羽の音が落ちてくる……この巣の主である飛龍が戻ってきたのだと、強くなる風の中で気づいた。