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哀しく笑ったのは、誰だったか。
「はぁん?AAAは無事に脱走出来たってわけかぁ。」
「おかげ様でな。んで、見逃してくれるわけねぇし…アーリアじゃなくてあんたを倒せばハッピーエンドか?」
「みたいだな。」
チラリと詰まれた瓦礫を見ながら、シェントはアルヴァートに対して強気に笑う。
自分がこれ以上付き合う気が無い事をわかっている彼も、あの時の続きかと不敵に笑い返す。
「ヴェルディ。ラルドを頼んだ。」
「はいよ。行こうかラルドくん。」
「ん…アルヴァート!絶対帰ってきてよ!」
最後にそう泣きそうに叫んだラルドに、アルヴァートは片手を上げて答えた。
そのやり取りも見届けて、二人をあっさり見逃したシェントに少しだけ違和感を感じる。
彼は近所の子供でも眺めているかのように和やかな雰囲気で笑い、ただ穏やかにそこに立っていた。
「懐かれてんだなぁ。」
「可愛いだろ。やらねぇぞ。」
「いらねぇよ。幸福の子供なんざ、もう十分だぁ。」
そう顔を歪めた彼は、ゆっくりと得物を構える。
そうして再び軍人の顔に戻ると、愉しそうに口角を釣り上げた。
「もう要らない。いらねぇよ。だから…お前も、逃がしてやらねぇ。」
小さく頭に過ぎる少女の声は、聞かないフリをして。