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どうしてこうなったのだろうかと、無意味に自分を責めた。
そうしたって何もならない事はわかっている。
それでも体中に圧力をかけるような痛みやだるさを誤魔化したくて考えてしまう。
どうしてこんな事になった?
私は何か間違えたのだろうか。
私は何を間違えたのだろうか。
ぐるぐるぐるぐる、視界が狭まって見える程に頭の中をその疑問だけが渦巻いて、余計に焦りにも似た思いが腹の内側をくすぐる。
「らいじょうぶ…?」
そう滑舌悪く問いかけてきたのは、自分と同じくらいの子供だ。
誘拐された子供達は売られたり、アーリアのように玩具となる以外にも無理に働かされる子供だっているのだ、この船には。
その一人らしい彼は暗い所で見えにくいのか単純に目が悪いのか、それとも何かされたのか知らないが、どこかふらふらとした足取りでアーリアに水を持って来た。
くらくらする頭で彼を見て、それからどうしようもなく落ち着かなくなる。
彼は心配そうに、だが気遣うように笑っていたのだ。
それは確実にアーリアの為の笑顔だった。
けれどどうしてもそれが嫌で羨ましくて理解出来なくて、アーリアは勢い良く飲み物を払いのけた。
ゴトンと音を立てて木のコップが落ちて水が零れる。
床に水が広がるようにゆっくりと、アーリアは起き上がった。
「…最低。」
「えっと、」
「最低、最低最低最低最っっ低!」
ガッと少年の首を掴む。
彼を力一杯に睨む。
腹の底から呪うように声を発する。
吠える。
「殺してやる、殺してやる殺してやる殺して、殺して殺して殺して殺して殺して殺して!嫌だもう嫌だ殺して死なせて殺させて!!みんなみんな大嫌いみんなみんなみんな壊れてよ終わってよどうしてまだ終わらないのどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてええ!!」
ぎゅう、と少年がアーリアを抱き締めた。
彼女から見えないが、今にも泣きそうな表情で彼は彼女を抱き締めて、あやすように背中をさする。
「ごめんなさい、ごめんなさい、オレもなんにもれきないよ。ごめんなさい、ごめんなさい…」
彼も彼女も、たった一つの海賊による被害者なのだ。
アーリアがそれを理解するまであと数日。
影で二人を見ていた16歳のライノルズがそのまま歩き去るまであと数分。
何も出来ない自分が、大嫌い。