救助演習(USJ)
「次の演習はUSJでやるぞ。コスチュームに着替えるように」その後、先生はぼそっと付け足した。
「ただし、芦戸、佐藤、津野、峰田は体操服で来い」
席の近い佐藤と鹿乃は顔を見合わせた。一体どういうことだろう。
USJに到着した1年A組が連れてこられたのは水難ゾーンだった。ヴィラン連合襲来時に真っ二つになった大型船は修復されて、現在は巨大なプールの隅で静かに揺れている。
一部を除きヒーローコスチュームに身を包んだ面々は、プール中央の巨大な渦を眺めながら相澤の到着を待った。
「今日はどんな内容でしょう」
爆豪がぐっぐっと肩周りをストレッチする後ろで、八百万が首を傾げる。隣で芦戸が体操服を引っ張ってみせた。
「何で四人だけ体操服なんだろ?」
「なんかヤな予感しねえ?」
「するするー」
佐藤と芦戸が揃って苦笑いしたところで、歩み寄ってきた相澤から彼らに声がかかった。
「体操服の四人、ちょっと来い」
相澤に駆け寄った鹿乃は、彼から4個のリストリングのようなものを受け取った。ずしりと重い。指示通りに、両手両足に装着する。
「先生ー、なんで私達四人なんですか?」
「クジの結果だ」
芦戸に短く答えて、相澤は全員の前に立った。クジ? と最前列の四人が揃って顔を見合わせる。
「本日は水難ゾーンで救助演習を行ってもらう」
「救助演習」
「……なんか、んん? オイラ嫌な予感が」
峰田の声が震え出した直後だった。
反応すらできない速さで、体操服の四人は体を強く引っ張られた。相澤の捕縛布だ。そう気がついた時には、体は宙に放り出されていた。眼下に見える水面は大きく渦を巻いている。
「え」
翠の目が丸くみひらかれる。
「ちょっ」
放り出された四人の顔がさっと青ざめた。直後、派手な水しぶきを上げて次々渦に飲み込まれていく。
唖然として見ていた残りの面々は、「嘘だろおおおおおお」という峰田の声で我に返った。
「助けないと!」
緑谷の声に相澤が続く。
「その通り。要救助者はあの四人だ。自由に泳げないよう手足は拘束。今頃水中で両手、両足それぞれくっついてるだろう」
「あの渦の中で……?!」
「因みに一人助けるごとに他の奴らの拘束具の重みが増す。時間掛かっても重くなってくから急いだ方がいいぞ。自力での脱出はほぼ不可能だが……」
相澤の声はドッという重たい音に遮られた。全員の視線が向いた先で、峰田がゲェゲェ水を吐き出している。
「今のは津野さんですね」
水難ゾーンにアナウンスが入る。13号の声だ。
「着水直後に角で峰田くんの髪を突き刺し、渦の遠心力を利用して思い切り放ったみたいです」
「津野に10ポイントだな」
「ポイント?!」
「一人救助する毎にその速さや状況判断に応じて点数付けるぞ。言うなればこれは救助レースだ」
相澤は淡々と付け加えた。
「ヒーローの卵とはいえ、あの状況じゃ普通に死ぬぞ」
全員の顔が一気に強張る。ニイと笑って、相澤は告げた。
「救助演習スタートだ」
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ほんとに死にかけたら先生二人が助けに行きます。
あと相澤先生が四人を投げた後に説明始めたのは、助けが到着するまで時間がかかることが殆どである本物の救助現場を模すためという合理的理由から。
四人の方は、救助する立場の人間が二次被害で予期せず水難に巻き込まれたときどう対応するの訓練ができますという設定。
↑はガチルートで、
最初に峰田が鹿乃の角にもぎもぎくっつけて鹿乃をますます沈ませ「アイツ何やっとんだーーー?!?!」なギャグみ濃い話も考えてたんだけどボツになりました。
▼USJに向かうバスの中(おまけ)(超くだらない)
鹿乃「この四人って何か選んだ基準あるのかな」
芦戸「私たちだけヴィラン役とか?」
佐藤「逆もあるかもだぜ」
芦戸「何その絶望!」
鹿乃「想像するだけでどきどきしてくるねそれ」
峰田「くーっ何でこのメンツなんだよお! 全員男子にしろよな……」
緑谷「峰田くん……何で血涙」
瀬呂「緑谷それたぶん聞いちゃダメなやつだ」
峰田「ジャージじゃ露出が足りねーぞ……!」
瀬呂「ほらな」
緑谷「そうだね……」
峰田「芦戸の腰にピッタリ沿うコス……鹿乃の生足全開のコス……!」
上鳴「峰田シンプルにアウトだぞ。いや確かにえろいけどさぃってェ!!! え、何?! 何で殴られたの今?!」
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文化祭前後くらい
