「おい葉!本気かよ!!リリカの件もある、ハオの手下の可能性だってあるんだぜ?」
「ハオ…?」
ホロホロが放った「ハオ」の言葉に忽ちあの品のある、余裕じみたリゼルグの表情がきつく強ばり始める。
…こりゃ地雷、踏んだかもしれん
「ボクはダウジングで君たちを見つけた。パッチ族の集落を知るもの、それが君たちだった」
「ん?それじゃぁリリララはどうしたんだ?アイツがオイラ達に教えてくれたんだよ」
「リリララ?その人はダウジングには引っかからなかったな」
「けっ、ほれみろコイツいい加減だ。さっさと放っておいて次行こうぜ」
「酷い事言うねぇ。ボクは君と違って頭もいいし気品もある。何より強いよ?」
「てめぇオレ様に喧嘩売ってんのか?!」
「ふぅーん。じゃ、本当に強いって証明したら、仲間にしてくれる?」
やっぱり予感は的中した。地雷源っぽいものをぶち抜いた途端、風向きが怪しくなってきた。
ハオの名を出した途端、リゼルグの様子がどこかおかしい。自ら紳士的に振る舞うどころか、煽って来やがる。
こいつは本当は何が目的なんだ?…わからない。
「畜生、こいつ舐めやがって!!」
「ホロホロ、やめろ!!」
「葉!てめえは黙ってな。ライバルを1人減らすだけだ」
「ふーん。じゃあ君を倒したら、僕を仲間にしてくれよ」
「おい、二人ともやめろ!!」
「ごめん、それは無理な話だ」
葉の静止は虚しく、試合開始のゴングが鳴ってしまった様だ。
菱形のキラキラと輝く水晶のペンデュラムがまるで生きているかのように撓り、ホロホロを襲う。
しかしあのバンダナ坊主だって負けてない。飄々と躱し、反撃する。
「そんなちっちゃい道具で俺を倒せると思ってんのか!その頭に昇った血、こいつで冷やしたらどうだ!!」
「へぇ、君は氷の精霊を使うシャーマンなのか!でも残念。ごめんね」
「後に、なんでだ?!」
「フン、ではこのワイヤーを貴様ごと叩き切れば良いのだな。悪いが助太刀させてもらう」
掩月刀を振りかざし、自身の持霊を憑依させた蓮がホロホロに迫るペンデュラムのワイヤーを切り刻もうとした。が、何かおかしい。リゼルグのこの余裕の笑みは一体何なんだ…?
…嫌な予感がする。
「蓮、ホロホロ、避けろ!!!!」
ヘタしたらコイツらの命が危ない。殺られる。
数える程と言えど同じ釜の飯食った仲だ。見殺しには出来ない。私の正義感が働き体が動いてしまっていた。
さっさとサモナーらしく適当に神霊獣を出しゃいいのに、テンパった私はアイツらを突き飛ばしていた。