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「痛ってぇなぁ畜生…」
「リリカ…お、お前…」
「なーにが「お、お前…」じゃこのバカタレ!!お前こそ氷使いらしく頭冷やせ!!」

私の思った通りだった。あのリゼルグって野郎、ペンデュラムだけじゃなく、ワイヤーにもオーバーソウルしてやがった。
クソっ、私は残念だけど私自身には憑依合体もオーバーソウルも出来ない。つまりタダの生身の人間って訳だ。防御もクソもないから攻撃をモロに受けてダラダラ血が出てくる。痛い。今にも意識が飛びそうだ。

「すまないね。ボクは基本淑女には手は出さない主義なんだけど…事故って事でいいかな?」
「あぁ?てめぇこの期に及んで何言ってんだよクソガキ。ぶっ飛ばすぞ」
「葉くん。ボクが言うのもなんだけど仲間を選んだ方がいい。とても品性のない集団になってしまってるよ」
「その減らず口、ぶち割ってやろうか」
「望むところだ」

コイツは必ず、ぎゃふんと言わせる。
ポケットから召喚石を取り出し握りつぶす。年上の女を舐めんなよ。

「キマイラ、初めて見ただろ」
「ふぅーん。お姉さんにそっくりな見た目だ」
「あ?何煽ってんだ。殺すぞ」

四足の何か。一歩一歩歩く事に姿形がコロコロと変わる、不確定な存在の獣。コイツであのクソッタレたガキを潰す。絶対に。

「食いちぎれ!」
「モルフィン、次こそだ、次こそ再起不能にしてやれ!」

私の召した獣は、鞭のように撓るペンデュラムをワイヤーごと噛み砕いた。
…勝った。

…次は、あのガキをボコボコにしてやる。

にしてもさっきから視界が霞むな。あぁ、血がめちゃくちゃ出てるからか。
止血しないとなぁ。
あぁ、寒い。足に力が入らない。
こんなにも酷く怪我をしたのは初めてだ。
まるで高いところから落とされたみたいに、色々なものがダウンするような感覚がした。