「……アメリカ…今、兄さんは私達と同じ、アメリカに居るっての!?!何で!」
「お、落ち着いて!ボクは君のお兄さんの心までは汲み取れない。分からないけど、モルフィンはここを指した」
変な汗がさっきから止まらない。
兄が、もしかしたら会える場所に居るかもしれない。
「詳しい場所は分からない?」
「すまない、そこまではまだ分からないみたいだ。多分同じ土地には居るんだろうけど、ボク達が今いる場所よりかなり遠くに居るから…だと思う」
残念そうに頭を垂れるリゼルグだが、私は全く残念だとは思わなかった。
兄の所在が知れただけで、かなりの収穫だ。
何より、あの人がまだ生きている。だからこそペンデュラムが反応したんだろう。幼い頃、別れてしまったきり音沙汰のない兄の生死を時として心配していた。
また、会えるかも知れない。
「〜っ本っっ当にありがとうなリゼルグ!!!アンタすげーよ!!」
「わっ、まだあんまり動いちゃダメ!!」
「知るか!この通り私はピンピンしてんだよ。いけるいける」
そう言ってベットから降りてピョンピョン跳ねたものの、やっぱり体のどこかしらが若干痛む。
痩せ我慢すれば何とかなる具合だからなんとかなるかな。
「…君は強いね。その点ボクなんかさ」
「な、なにダウナーモードになってんだよ。そういうのやめなって」
「ごめんね。…ボクはさ、復讐のために自分の事ばかりになっていた。だから周りが見失っていた」
「なーに言ってんだ、私だって葉達が招いてくれなかったらずーっと酷いまんまだって」
「…そっか」
またしょぼくれ始めたリゼルグに困り果てた。
私の人生で、こういった人間と関わるのはほぼほぼ無かったし何人かいたとしても切り捨ててきたから扱いが全く分からない。
こういう時、なんという言葉をかけるべきなんだ?
「そのさ、何ていうの?これから私らと一緒に行くんでしょ、その間に自分の納得する成長をすりゃいいんじゃねーの?」
「…いや、やっぱりボクは君達とは行かない」
「はぁ?」
「君達に迷惑を掛けたし、試すようなこともした。ボクは仲間になる資格はないよ」
「あっ、おい待てよ!!!」
そう言い捨ててリゼルグは席を立ち早々と退室する。
唐突過ぎる行動に、戸惑いながら彼を追いかけた。
…慣れないことをした為に、またあいつの地雷を踏んでしまったのだろうか。