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「つまりアンナちゃんは、葉を強くする為の強化虎の穴を持ってきたと」
「簡単に纏めるとそうね」
「虎の穴って言葉久しぶりに聞いた」
「リリカはババアだからな」
「おうクソガキ、本戦前に一発やるか」

場所は変わってさっき合流した噴水の広場。
全く理解出来てなかった状況だったけど、余りにも私が戸惑っていたので気を利かせた葉がわかり易く説明してくれた。
あと、この短時間でアンナちゃんという例の女の子はかなりのマイペースさをぶち込んできている。初見のお土産強制購入を皮切りにここに移動する間もズバズバと自分を貫いててだいたいどういう子なのかはわかった。

ダンナの方とは違ったタイプのマイペース。
流石は許嫁。

……と喧嘩を売ってきたホロホロを一発殴りながら思う。
誰が年増じゃ。10も離れてないのによく言いやがる。

「何も殴るこたぁねーだろ!!」
「うるせえ、腹の虫が収まんねーんだよアホ」
「貴様ら少しは大人しくしろ!!!五月蝿いぞ!」
「蓮は黙ってろよ。あーもう、ムカムカしてきた。おいホロホロ、やっぱここで本戦前に肩慣らししようや」
「やめろってお前ら!」
「やってやるよこのアマ!!」
「ハッ、500年に一度のシャーマンファイトだからか血気お盛んなヤツらばっかりだな」

ホロホロの胸ぐらを掴んだ時、どこからかそんな声が聞こえてきた。
さっきも言ったけど今の私はこのアホによってすっげぇイライラしてんだ。茶々入れてくる奴は容赦なくボコるぞ。
つーか今日はいろんな奴がやってくる日だな。なんなんだよ。

「お前なんだよ。やんのか、あ??」
「落ち着けネーチャン。オレは別に喧嘩を売りに来たわけじゃねーからよ」
「じゃあ何だよ。仲裁でもすんのか」
「試合前にそうやって変な仲良しごっこをしてるから気になっただけだぜ」
「……おいホロホロ、あの変なやつの相手してやれよ」
「俺かよ!!やだよ!」

面倒くさそうな輩が来たからどうにかならんもんかとホロホロに振ったら普通に嫌がられた。

「そんなひでぇ事言うなよ。オレぁお前らの為を思って言ってるんだぞ、次はトーナメント戦だってのにそんなチームワークでいいのかよ!!」
「……トーナメント?」
「あぁ、パーマネント」
「なんかイライラしたら腹減ってきた。飯食うか」
「そういや近くに飯屋があった筈だぜ、リリカの姉貴、行こう」
「む、無視すんなよ。マジだって!マジで!!!トーナメント!」

クッッソつまらんギャグが飛んで色んなものが冷めてしまった。
全然面白くない。なんだこいつ、さっさと無視してどっか行くのが一番いい。
そんな態度が気に食わなかったのか、例のトーナメントに関する事を引き合いに出してきた。
トーナメントだから何なんだよ。予選だってランダムトーナメントみたいな感じだっただろ。そこまで気にするか。

「……はぁ。おい、用があるなら手短に言え。俺は今バカどもによって超、腹が立ってるんだ。またふざけた真似をしたら叩き切るぞ」
「わ、わわわ!わかった!もうふざけねえからそんな物騒な光り物出すなよ!!オレは今チームメイトを探してんだ!」
「チームメイト?」
「そう、チームメイトだ。さっきも言ったがこれから先シャーマンファイトは、東京に会場が戻りトーナメントが始まる。個人戦じゃなくチーム戦で、3〜4人のチーム戦だ。人数に溢れたら即失格」
「なぜ俺たちに声を掛けた」
「……このファイト、参加者の8割…いや、それ以上が3つの大きな勢力の傘下と言ってもいい。オレはそれの何処にも属してねぇ」

チーム戦というのもそうだが、3つの勢力というのが気になる。ハオはおそらくそのひとつだろうな、でもあと二つが気になる。
ハオ以外にも居るってことかよ、バケモングループがあと2つ。嘘だろ。

「貴様、名前は」
「チョコラブ」

アフロ頭のよく分からないギャグを振る少年は、チョコラブと名乗ったが、事前の素振りによって本名かどうか真偽が定かじゃない…
チョコラブて、そんな名前あるのか。
世界は広いからわかんねーけどさぁ、変な小ボケのつもりで言ってたら次こそ放っておこう。
と思ったが、今の蓮は沸点が非常に低かった。ふざけてると判断したらしく本当かどうか確かめるより前に既に手を出していた。

「わーっ!!わーっ!!!本当にやりやがった!血が出たぞ!!!チョコラブって名前は本当だって!ふざけねぇって言ったじゃねぇか」
「おいアンナ、なんかこいつ詳しそうだな」
「…そうね、話を聞いてみる価値はあるかもしれないわ」