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えーっと、この隣にいる道蓮被害者の会会員その1のアフロ頭が激寒コメディアンチョコラブで、葉の隣に居るマイペースおかみがアンナちゃん(彼女は中々呼び捨て出来ない。なんか怖い)。

……で、今さっき出会った車いす男が、ファウスト[世とかいう見た目が薮臭い医者。
そいつの膝に乗って震えてたぬいぐるみみたいなちっさい男の子がまん太くん…

怒涛の新メンバーラッシュに追いついて行けない。
これメモした方がいいんじゃねーの?
顔と名前を一致させるのは今日1日では難しいな。
チョコラブとおかみのアンナちゃんはパンチが強すぎて二度と忘れることは無いと思うけど。

「医者がチームに居ると良いかもね」
「は?」
「あの時の彼の戦いを見ていたけどアイツは強い。それは純粋な心が生む一切の迷いなき精神力、それをあたしが彼の力を引き出せば彼の望みは叶う」

所変わって宿舎近くのレストラン。
胡散臭い車いす男、ファウスト…?だっけ?はあの後考える時間も必要だろうと言いたいことだけ言ってどこかに行ってしまった。
軽食を突きつつ、隣の席で葉達のファウストに関することの話を聞いている限り、あの男は見かけによらず案外良い奴なんだろうなという情報が分かった。
…問題行動をいとも容易く起こす。というのが少し気になるが、あのトンガリ野郎と比べたらマシだろ。ちょっとは話が通じそうってだけで充分良い奴だ。

「幸いチームは4人までなら良いのよね?あたしはリゼルグってやつは知らないけど、ファウストを入れても大丈夫そうじゃない」
「アンナ、それってつまり」
「ええ、彼をチームに入れるわ。葉」

…独断で全て決めてしまうおかみさんの行動にデジャヴを感じるなぁ。
葉の周りには我が強い奴らが集まるんだろうか。

「マジか、マジで言ってるのかアンナ!」
「何よ。別にいいじゃない。私はアイツに貸しを与える事ができる。そうなればいずれ完成するあたしの温泉旅館の専門医として!!あの有名旅館の消防隊に匹敵する客寄せになるでしょう。似非エステの敵じゃない、本物の医療で健康に執着する顧客を掴むのよ!」
「お、おかみのアンナちゃん野望スピリット…」
「とにかく、葉。あたしの切望を叶えるためにアンタには強くなってもらわないと困るわ」
「あ、あぁ…そうか」
「組み分けもスムーズに決まったしそうとなれば修行よ。あたし、先に戻って準備しておくから。支払いは任せたわよ。リリカ」
「エッッッッ!また私かよ!!」
「年長者じゃない。お金あるんでしょ」
「う、うん……」
「なら決まりね。よろしく」

おぉう……強制的に支払い役になってしまった…
年長者ってこういう時に損だ。払いたくないが、金に関することでグチグチと小さい事を言うのは癪なのでまぁ払ってやるけど!!

私の奢りとわかった途端バカのホロホロとチョコラブが良いもの食おうとメニューを吟味しだしたので、とりあえず殴っておいた。
金は払うが余分に出すほど私は優しくねーぞ。

「はぁ〜っまじかぁ。まさかファウストが仲間に入っちまうのはオイラ予想外だった」
「でもダンナ!あとはリゼルグを探すだけだ。すんなり決まって良かったぜ……!」
「そーやってリゼルグを仲間に入れるつもりだけどアイツが嫌がったらどうすんだよ」
「………案ずる事ぁねえぜ、リリカの姉貴。そうなったら駄々をこねる(俺は潔く諦めるぜ)」
「本音と建前が逆になってんぞー」
「ハッッ!俺とした事がつい」

……ここまでこいつに妄執されるあの子が気の毒だ。
仲間になったらまぁいいが、ストレスで胃がやられないか…それが心配だな。
竜をおセンチにしてる張本人は今どうしてるんだろう。
もう既にチームメイトを見つけたりしてるんかな。

………ま、本戦が始まるまでに猶予はあるしひょっこり会うだろ。多分。
あーあ、今日は疲れたな。私もとっとと会計済ませて塒にもどるか。