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「へーいタクシー、ん?ヒッチハイクはタクシーじゃないか」

葉達はアメリカの、パッチ族が住まう集落へ向かう為道中を急いでいた。
仲間と共につい先程出会った軽トラックの運転手の計らいにより、最寄りの街まで乗せてもらっていた時だった。
アメリカ特有のだだっ広い荒野の道路沿いにポツンと1人、フードを被った女が右手をかざし葉達と同じヒッチハイクを行っている。

既にこのトラックは葉含め数人の仲間が乗っていたが、運転手は生来の優しさか、わざわざ女の前で停車し葉達に乗せても良いか交渉した。

「うーん、俺は構わんけどお前らは?」
「断る。女だろうが放っておけ」
「そんな事言わないでよー!この通り!端っこの方に大人しーく座ってるんで…もう足が棒みたいになっちゃって歩けないの!」
「そうだぜー蓮。可哀想だしちょっとくらい乗っけてやろう」
「馬鹿かお前は。あの女の腰にぶら下がった物を見てみろ」

やや不機嫌に道蓮、蓮と呼ばれた少年は女の腰元にぶらぶらと揺れるオラクルベルを指した。
オラクルベル、それはこの500年に1度行われるシャーマンファイトの参加者のみに与えられるパッチ族のアイテム。
つまりこのヒッチハイカーの女も参加者ということ。

しかし彼等から見る分には全く殺気や敵意は無い。女もあぁなんだそんな事かといった態度で佇む。

「何よ、SF参加者は敵だから乗せたくないっての?」
「白々しいな。早く目的を言え」
「だーかーら、最寄りの街でいいからちょっと相席していいかって」
「お前の相席の交渉はいつもトラックの下に持ち霊を這わせてるのか」
「!」

蓮のその一言で、一同は瞬時にトラック下を確認した。
確かに、姿は確認出来ないが何かが蠢いている。

「あーあ、バレたかぁ。まぁ正直言うとね、パッチ族の村の場所教えて欲しいんだ。アンタら知ってるでしょ。教えてくれた後にそのへんでリタイアしてほしーなって思ってさぁ」
「おいおいおい、やべーぞ皆降りろ!!」

飛び降りる暇もなく、トラックは宙に舞った。

「申し遅れたけど、私は左門リリカ。
召喚士(サモナー)よ」