文字通りの人馬一体。決して比喩ではなく、ケンタウルスの様な外見ではあるが違う。名伏し難き形相のそれは彼女にとっての一航戦に等しい存在。
「オーディン、と言った方がわかり易いか?でも、オーディンではない。この世界線のものでは無いから」
「なに電波ちゃんみたいな事抜かしてんだ、ゆめかわいいメルヘン世界にとっとと帰んな」
異界より召された人馬の神霊は、リリカが眉をしかめると同時に、罵倒を言い放った竜へ大きな剣を振り下ろす。
数々の戦いを繰り返したシャーマンである竜と呼ばれる男には、そのような攻撃は通じない。トカゲロウを大蛇のようにしならせ、いとも容易く受け止めようとした。が
「甘い。甘い甘いあまいッ!!!そのテメーの綿菓子みたいな髪ごとドタマぶち割って蟻の餌にしてやるよ糞野郎!!!」
受け止めきれない。誰もが仲間の死を感じたその瞬間。
「お前、いい加減にしろよ」
「…は?」
阿弥陀丸が、リリカの呼び出した神霊を叩き切った。
彼女にとって今出せる最大の力を出した。彼女の中では、この力さえあれば人数が多くとも倒せる。そう思っていた。
考えと違う!イレギュラーの自体にリリカの顔色は瞬時に焦りと恐怖で変わる。
やばい、それが彼女の意識が途切れる直前に放った言葉。
「御光刃」
左門リリカの行動は、麻倉葉の逆鱗に触れた。