「……」
視界に広がるのは青い空と白い雲。土臭い香りが鼻腔を擽る。ニューオリンズソングがエンジン音にかき消され微かに聞こえる。
ここは、どこだ?
「よお」
「うわっ!」
「あっ、あんま揺れると落っこちるぞ」
麻倉葉が、何故?私は一体、
「落ち着くでござるよ。ここは先程お主が襲ったトラック、そして葉殿が連れてきたという事だ」
「……はぁ?」
「ま、そういう反応になるわな」
麻倉葉の持ち霊が若干戸惑いつつ、事の経緯を説明してくれてるが、ちょっと待って。
ヘラヘラと能天気に笑う彼に思わずゾッとしてしまった。だってさっきあんなに殺意マンマンでぶっ殺そうとしてた奴だぞ?
「なんで私を」
「さっき言ってたじゃねーか。『最寄りの街でいいから乗せてくれ』って」
「あ、あれはアンタらの隙つこうとしてただけで」
「へっ、そうなん?」
お花畑発言に思わずトラックの荷台で盛大にずっこける
マジでなんなんこいつ。ヤバすぎじゃないか?
「…はぁ、マジかよ…申し訳ないけど降りるわ。あ、でもその前にパッチ族の集落の場所教えて頂戴」
「お前ちゃっかりしてんな…教える代わりに教えてくれ。なんでお前、オイラ達を狙ったんだ?」
「……」
さっきまでの軟派な雰囲気とはうって変わり、静かな眼差しでこちらを見つめてくる。既視感のある表情、そうだ、アイツに似ている。
私に「麻倉葉達を叩きのめせ」と指示した人物、ハオにそっくりであった。