逢瀬は逃避





いい匂い。



綺麗な人。



優しい笑み。


夢の中に現れた、そんな人。



それが皆城総士だと知ったのは、
親に写真を見せてもらった時ーー…
結構昔の事だ。



彼はたまに、僕の夢の中に現れる。



その都度、僕は"この人と
ずっと一緒に居れたらな"と
願ってしまう。



されど夢は醒めるもの。
望んでなど、いないのに。



ーーそして、今夜も皆城総士は
僕の夢の中に現れた。



白く美しい花が一面に咲き誇り、
空は橙色の薄くて優しい色合いをうかべ
あたりには花弁やらがふわふわと舞っている空間。



そこに、こちらを向いて優しげに
微笑む皆城総士が手招きをしている。



「(また、貴方にあえたーー!)」



僕は彼の姿を見るなり、
そちらに走っていった。

そのまま両手を広げ、
勢い良く抱きしめる。


が、つい勢いで彼を花群に倒してしまい
僕はしまったと顔を上げて彼を確認した。


そこには困ったように微笑む彼がいて、
そっと手を伸ばしてきたかと思えば
僕の頭を撫でてきた。


優しい、優しい手つき。




"大丈夫か、怪我はないか?"



穏やかな声で問いかけてくるその声に、
自然と頬が緩む。


僕は嬉しくて、再び彼を抱きしめた。

この幸せなひと時を
いっぱいいっぱいに感じるために。


現実を忘れるために。







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