2回だけの告白




「らしくないよ、お前」



俺はそう笑って、俯く彼を抱きしめた。


余裕ぶって笑った俺だけど、
内心とってもドキドキしている。




心臓が胸から飛び出るんじゃないかってぐらい。



でも抱きしめた相手も同じみたいで、
体が面白いほど震えていた。




俯いた頬は真っ赤で、
口元は堪えるように歪んでいる。



なんだかそれはとても可愛い顔だった。




「へ、返事は…?!」




彼は面白いぐらいに、
切羽詰まった声で俺に問いかけてきた。



ともなうように、
少々荒々しく胸元を掴まれてユサユサと。


痛いよ…と呟き、俺は笑う。

というか、これで答えがわからないのかと
さらに笑ってやった。





「じゃあ…!!僕と…付き合ってくれるのか!」





うん、いいよと俺は答えた。

瞬間、彼はこれ以上ないまでに驚きの顔をし、
やがて緊張が解けたように
へにゃりと笑ったかと思えば、
彼の顔は切り替わって真剣なものになった。




「…本当に、ありがとう。
僕はとっても幸せだ」




彼は俺の体を抱きかえしてきた。


その腕は震えている。


俺の腕もまだ緊張に震えて、
それを改めて自覚した瞬間、
心臓がどんどん脈を早く刻んでいった。

こらこら…早くしずまれと願いながら、
心のどこかでその状況を楽しんで。


あぁ、本当に俺も幸せだよと
彼の腕の中でそっと目を閉じた。




これは、2人が恋人になれた日の話。
それは、俺がいままでで2回経験した事。



ーー3回目は、なかった。
だから、だから。








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